乗り気じゃない忘年会に限って行くと案外楽しい。
こんにちは!地元愛の塊、札幌タワマンくんです。
暦の上ではディセンバーということで!
今回は!2024年の札幌マンションマーケットを振り返ります!
まず2023年までのあらすじ、そして前半部分が新築マンション、後半部分が中古マンションという流れで行きます!
目次
2023年までのあらすじ
2020年~2022年
2020年から2022年にかけての3年間で札幌のマンションマーケットは大きく変動しました!
主にコロナ特需(在宅・リモートによる自宅の重要性や考える時間の増加)による需要増加、札幌の開発(新幹線やオリンピック誘致など)の目途が立ちそうという街自体の盛り上がり、大規模再開発タワーマンションの販売(割と低価格)という要因により、新築マンションブームが起きました。
新築マンション
道外からのセカンドハウス・キャピタルゲイン目的の購入も増えたこと、国やメディアが購入を後押ししていたこともあり、それまで潜在層だったカスタマーが大きく動くきっかけがとにかくたくさんありました。私自身も新築マンション営業として現場に立っていましたが、札幌市民が「今買い」と「マンション=リセールバリュー」を強く意識し始めていることを身に染みて感じた3年間でした。
①新規供給戸数:1345戸(2020年)→1840戸(2021年)→2020戸(2022年)
②新規供給成約率:72.8%(2020年)→89.7%(2021年)→86.9%(2022年)
③新規物件平均価格:3,839万円(2020年)→4,232万円(2021年)→4,279万円(2022年)
④新規物件平均坪単価:188万円(2020年)→207万円(2021年)→208万円(2022年)
上記指標のように建築費高騰などの外部要因による価格上昇もありながらも、言い方悪いですが”出せば売れる”というのが2020年から2023年にかけての新築マンションマーケットでした。
また、上記指標には含んでいませんが、「ONE札幌ステーションタワー」「ライオンズタワー札幌」「プロスタイル札幌 宮の森」という今までの札幌にはない坪単価300~600万円の高額トップ3物件が販売されていたこともあり、「札幌の天井はまだまだこれから」という風潮があったのも、新築マンションマーケットを後押ししていた要因のひとつかと思います。
中古マンション
そして、新築マンションマーケットのビッグウェーブを受け、中古マンションマーケットも好調でした。「今買い」と「マンション=リセールバリュー」という意識は中古マンションでも同様で、行政区や築年数関わらず満遍なく売れていました。
特に2020年後半から2022年前半までの2年間は中古マンション在庫数が2000戸を切り(2019年までは2100~2400戸を行き来・2024年末現在約2800戸)、需要過多と言っても過言ではありませんでした。①中古物件平均価格:1,780万円(2020年)→2,020万円(2021年)→2,240万円(2022年)
②中古物件平均坪単価:75万円(2020年)→87万円(2021年)→96万円(2022年)
上記指標のように新築とは違い、価格は大分落ち着きます。
2,000万円以下の築古リノベや買取再販がとにかく動いてました。
また駅近3,000前後の築浅物件や駅近4,000万円以上のタワーマンションも動いていたので、どの予算の層にも入口が見えやすい価格設定だったのかと思います。
この3年間は「今買い」と「マンション=リセールバリュー」という意識がとにかく札幌中を抱え込んでおり、新築も中古も売買の動きが活発でした。
実際にこの時期の新築マンション購入された方は今の中古価格を見て「買った時より上がってる」となりますし、中古マンション購入された方も「あの時買ってよかった」と思えるど真ん中の黄金期だったと言えます。
2023年
ただその反動を受け、新築も中古も動きが鈍くなったのが昨年の2023年です。
2020年~2022年の好調を生み出した要因である、”コロナ特需(在宅・リモートによる自宅の重要性や考える時間の増加)による需要増加、札幌の開発(新幹線やオリンピック誘致など)の目途が立ちそうという街自体の盛り上がり、大規模再開発タワーマンションの販売(割と低価格)”がきれいさっぱりなくなったというのが大きく影響しています。
それまで札幌の未来に期待して高額物件を購入していた道外顧客が新築中古ともに減ったことで、「今は札幌の天井なのではないか」や「今買っても出口がないのではないか」という意識が札幌市内を蔓延していると感じる1年間でした。
新築マンション
①新規供給戸数:1345戸(2020年)→1840戸(2021年)→2020戸(2022年)→1287戸(2023年)
②新規供給成約率:72.8%(2020年)→89.7%(2021年)→86.9%(2022年)→85.2%(2023年)
③新規物件平均価格:3,839万円(2020年)→4,232万円(2021年)→4,279万円(2022年)→4,968万円(2023年)
④新規物件平均坪単価:188万円(2020年)→207万円(2021年)→208万円(2022年)→243万円(2023年)
また生コン価格増により、更なる物件価格の上昇も鈍くさせた要因です。
それまでほとんどの札幌市民が購入検討できていた新築マンションという存在が、手の届きにくいものとなり購入できる層が限られてしまったというのも強く感じました。
ただ嬉しいことに、新規供給成約率はほぼ横ばいだったので、新築マンション自体に需要はあり続けるということを確信しました。
中古マンション
①中古物件平均価格:1,780万円(2020年)→2,020万円(2021年)→2,240万円(2022年)→2,373万円(2023年)
②中古物件平均坪単価:75万円(2020年)→87万円(2021年)→96万円(2022年)→99万円(2023年)
中古の価格自体は微増程度ですが、2022年までのイケイケムードの「マンション=リセールバリュー」という意識により2023年は売却在庫物件が増大しました。
それまで約1900件(2020年)→約1900件(2021年)→約2200件(2022年)と需要過多気味で進んでいた在庫数が約2800件(2023年)まで増加してしまい、完全に供給過多になりました。
「この物件欲しいけど何か月も前からSUUMOに載ってるしお買い得じゃないのかな」や「この物件値下げ繰り返されてるな…売り急いでいるのかな」など、「今買うべきではない」とカスタマーが一歩引いてしまっていると感じること多い1年間でした。
その流れで迎えた2024年、果たして…。
新築マンション
指標から見る流れ
①新規供給戸数:18棟(2020年)→21棟(2021年)→28棟(2022年)→19棟(2023年)→18棟(2024年11月末)
②新規供給戸数:1345戸(2020年)→1840戸(2021年)→2020戸(2022年)→1287戸(2023年)→1182戸(2024年11月末)
③新規供給成約率:72.8%(2020年)→89.7%(2021年)→86.9%(2022年)→85.2%(2023年)→80.3%(2024年11月末)
④新規物件平均価格:3,839万円(2020年)→4,232万円(2021年)→4,279万円(2022年)→4,968万円(2023年)→5,045万円(2024年11月末)
⑤新規物件平均坪単価:188万円(2020年)→207万円(2021年)→208万円(2022年)→243万円(2023年)→254万円(2024年11月末)
⑥中央区供給比率:55.5%(2020年)→36.4%(2021年)→35.0%(2022年)→32.9%円(2023年)→30.0%(2024年11月末)
上記指標のように、2023年に続き2024年も不調の1年でした。
新規供給数が更に減少した上で、新規供給成約率が下がり、売れない新築物件は本当に動かないという、二極化がハッキリしました。(動いた物件は下記)
上記あらすじで述べた要因不足に加え、価格上昇が絡み合い、新築マンション購入へのハードルがとにかく高かったです。
価格を抜けばコロナ前に戻っただけなのですが、マーケット目線、1度イケイケムードを感じたカスタマーのギャップを中々解消できなかったのではないかと思います。
特に各現場営業マンを見ていて辛かったです。
イケイケムードを体感したからこそのもそかしさや、そのギャップ解消トークの筋の通らなさ、マーケットを俯瞰せず個物件だけで案内してしまうなど、営業マンに対して「それ買いに来ているカスタマーしか買わない営業じゃない?」みたいに感じることが多くありました。
営業マンたちが次のステップに進めていないというのも要因にあるにではと感じました。
スムラボで投稿を始めさせていただき2ヶ月、新築も中古もマンションを見に行くことが更に増えて多くの営業マンの接客を受けたが、この人から買いたいと思える方が1人しかいなかった。
今までの売れ感を忘れられない営業マンが多すぎ問題。今の札幌マーケットで物件説明マシーンから誰が買うかァ!!
— 札幌タワマンくん (@tower_man_kun) August 5, 2024
個物件から見る流れ
上記グラフのように、2024年ほとんどの月で来場数が振るわない1年でしたが、5-6月や10-11月などの調子の良い月もあり、来場数を追うことで2024年の人気物件が浮き彫りになりました。
・「レ・ジェイド北海道北広島」(スムラボ記事)
上記指標は札幌市内なので対象外ですが、6月販売開始した当物件は2024年人気物件のひとつです。ファイターズ効果・ボールパーク効果・ラピタス効果も相まって来場数をぶち上げました。
・「ザ・ライオンズ琴似駅前ディアレジェンド」(スムラボ記事)
5月販売開始となった当物件は、人気エリア琴似の地下鉄駅目の前で坪単価260万円ということで4-6月の来場数をぶち上げました。
・「ザ・ライオンズ札幌植物園YAYOI GARDENS」(スムラボ記事)
6月販売開始となった当物件は、物件スペックに関わらず、集客戦略が強く6月の来場数をぶち上げました。
・「クレアホームズひばりが丘駅前」
7月販売開始となった当物件は、厚別区の地下鉄駅徒歩2分&全住戸角部屋ということで集客力が凄まじく、6-7月の来場数をぶち上げました。
・「レ・ジェイド札幌大通ザ・タワー」(スムラボ記事)
11月販売開始となった当物件は、民泊対応フロアへの興味・反響が強く、今年販売物件の中では道外集客力が1番強かったです。居住用フロアはスムラボ記事に残した通りですが、10-11月の来場数をぶち上げました。
上記5物件が来場数から見た人気物件たちです。
また、来場数関係なく、個人的に一番オススメした物件がコチラです。・「プレミスト札幌環状通東ステーションサイド」(スムラボ記事)
地下鉄徒歩1分で坪単価230万円という隠れ優良マンションです。
2025年注目物件
・「仮)プレミスト南2条西7プロジェクト」
大和ハウス工業の2025年12月竣工予定物件です。
プレミストではなくモンドミオで民泊対応分譲マンションの予定です。
モンドミオシリーズ3棟目ということで、モンドミオオーナー様を優先にアンダーで話しを進めていく方針みたいです。
これは激アツ案件です。私も既に何名かに勧めております。
民泊運用×セカンドハウス利用ができる好立地マンション。
なんとか私もアンダー紹介枠をいただけそうなので、ご興味ある方はこっそりと教えてください。
・「パークホームズ円山表参道フロント」
三井不動産レジデンシャル/2027年2月竣工予定/中央区北1西22
坪単価350万円予定、円山公園駅8分&西18丁目駅10分という立地で、どこまで売れるかに期待。
・「仮)ブランズ大通東3丁目」
東急不動産/2026年1月竣工予定/中央区大通東3
創成イーストエリアに新規物件、期待。
・「ラ・クラッセ札幌麻生ステーションスクエア」
日動/2025年12月竣工予定/北区麻生町5
麻生に新規物件、期待。
・「シティホームセントリック中島公園」
リアント/2025年9月/中央区南14西6
中島公園に新規物件、期待。
2025年販売予定物件にタワーマンションがないのは残念ですが、人気エリアや供給が少ないエリアでの竣工予定物件が多いのが楽しみです。
ただ中央区供給比率は30%切ってしまうのではないかと予想されます。
中古マンション
指標から見る流れ
①中古在庫数:約1900件(2020年)→約1900件(2021年)→約2200件(2022年)→約2800戸(2023年)→約2800戸(2024年)
②中古物件平均価格:1,780万円(2020年)→2,020万円(2021年)→2,240万円(2022年)→2,373万円(2023年)→2,425万円(2024年)
③中古物件平均坪単価:75万円(2020年)→87万円(2021年)→96万円(2022年)→99万円(2023年)→103万円(2024年)
上記指標のように、在庫数は2023年から横ばいの供給過多気味、価格は微増といった1年でした。
新築マンションほどのダメージは中古マーケットにはなく、むしろ売れる物件は売れ、売れていない物件はなにかしら3P(価格/立地/建物)に問題があり、白黒ハッキリとした良いマーケットになっていると感じました。
特に狸小路や豊水すすきの、中島公園などの中央区の中心街物件のスピードは早かったです。ピンポイントで探している方が多いんだと現場実感しました。
また、西区や手稲区、南区などの1,500万円~2,000万円の築古リノベ物件も動きが早かったです。購入者の年齢層は高齢者が多く戸建からの住替え需要が強いのだと、これまた現場実感しました。
全体通して、4,000万円~6,000万円の築浅物件が売れる売れないが割れていた印象です。
駅によって、立地によって二極化していました。
この層の検討者が新築マンションとどっちつかずになり、共倒れしていたのかなと見ています。
8,000万円以上のタワマン高層階や角部屋住戸も、スピード感はありませんが動いていました。ただ1億以上の在庫が過去一ある1年にもなったので、2025年は中古億ションたちがどう動いていくのかが見物です。ONE札幌ステーションタワーとライオンズタワー札幌の80㎡以上は更に動いていくと予想しています。
売れる物件と売れない物件の二極化。更に売れる物件でも築浅駅近の4,500〜6,000万円と築古駅近の2,000〜3,500万円に二極化していると感じた2024年札幌マンションマーケットだった。
— 札幌タワマンくん (@tower_man_kun) December 25, 2024
2025年はもっと二極化が進み、更にONE札幌の2LDKと3LDKが動き出して、築浅駅近タワマンたちは底上げされると見てる。
個物件から見る流れ
触れたい物件は山ほどあるのですが、一番は「ONE札幌ステーションタワー」です。
2024年春先に引渡しが行われ、転売住戸が大量に在庫として出ました。
この在庫過多は少なからずマーケットに影響を及ぼしています。
・道外から札幌の興味が薄くなっているのではないか
・今買っても出口がないのではないか
上記のような意識をカスタマーに感じさせてしまい、札幌最大規模のタワーマンションの転売住戸が売れていないという事実が何より厳しかったです。
こちらについては一度しっかりブログとしてまとめたいと思っていますが、ONE札幌ステーションタワーにとっては辛い1年となりました。ただそれでも今は過小評価で、将来必ず伸びると見ています。2024年にONE札幌ステーションタワーの転売住戸を購入した方はめちゃくちゃセンスのある方だと思います。今のONE札幌はチャンスです。
2025年注目物件
・「ザ・札幌タワーズ イーストタワー」「ザ・札幌タワーズ ウエストタワー」(スムラボ記事)
2025年春先に引渡しが始まります。
そんなに多くはないと聞いていますが、転売住戸や賃貸物件が市場に出ます。ただでさえONE札幌ステーションタワーの在庫過多の札幌駅にタワーマンションが増えます。
立地に対しての物件スペックと販売タイミングが、です。
札幌駅周辺では2024年から大規模工事が始まっており、2025年には開発を実感する出来事が多く増えてくると思います。
そうなると今以上に札幌駅は動きます。
物件スペックや規模感を考えると、ザ・札幌タワーズが市場に出てくることで一番恩恵を受けるのはONE札幌ステーションタワーになることでしょう。
2025年はONE札幌を含め、各開発予定エリアのランドマークマンションがアツいです。「絶対にもう建てられない立地」や「絶対にもう建てられない規模感」の中古マンションが築年数関係なく、更に価格上昇しつつも動いていくと予想します。
総評
と、2023年~2024年が悪く見えてしまいますが、札幌のマンションマーケットにとって必要不可欠な2年間だったと思います。
2023年~2024年の不調時期は、2020年~2022年の好調時期とのいくつかの要因によるギャップから生まれました。逆に言えばいくつかの要因が解消されさえすれば、札幌市民に「今買い」と「マンション=リセールバリュー」という意識は舞い戻り、札幌の火は更に燃え上がります。”コロナ特需”のような外的要因は望めないにせよ、”札幌の開発”は大きな鍵です。
今後の2038年の北海道新幹線(2024年12月31日時点)はもちろん、それに伴う開発が確定事項になれば、道外や海外含め、札幌マンションマーケットは更に広がります。開発が確定するかしないかのタイミングで一気に動き出します。開発が確定してから、見えていることに賭けるのでは遅いです。
今後の温暖化、ウインタースポーツの希少価値、北海道文化、食事、道内地方の観光地、じめじめしない湿度、様々な魅力が北海道にはあります。札幌はその中心です。
今の価格が安かった、お買い得だったと言われる時代はほぼ必ず来ます。
それほどまでに札幌、そして北海道の可能性は大きいし、まだ札幌の不動産は過小評価されていると個人的に思います。
”札幌の開発”に対する不確定要素が多い今のマーケットはある意味チャンスです。
特に今後10年で実現が難しそうな駅近の大規模タワーマンション。そして中央区の駅近築浅マンション。これはポジショントークなしのガチで今買うべきだと断言します。
私の予想では、2027年前後にはもう一度イケイケムードが札幌に来ます。
逆算して、今考えられる選択肢から最良の選択をするお手伝いができれば嬉しいです。
2024年ありがとうございました。
質問や相談のある方は、お気軽にお問い合わせしてください!!
また2025年もよろしくお願いしますー!!!
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