今回東京オリンピックの選手村跡地にできるビックプロジェクト、晴海フラッグのレビューをしたいと思います。
初めにお伝えしておくと、晴海フラッグの魅力を多くの人にお伝えしたい一心で色々と盛り込んでいったら15,000字を超えてしまいました(笑)
それでは、宜しくお願いします。
物件概要
- 所在地:東京都中央区晴海五丁目
- 総戸数:4,145戸
- 敷地面積:96,250.26㎡
- 建物竣工:未定(当初は2022年秋)
- 引渡し:未定(当初は2023年3月下旬予定)
晴海フラッグは4つの街区から構成されています。
分譲街区であるSEA VILLAGE、SUN VILLAGE、PARK VILLAGEの3つで4,145戸、賃貸街区であるPORT VILLAGEの1つで1,487戸(シニア住宅、シェアハウス含む)となります。
戸数、施工、管理は街区によって異なっています、詳細はこちらです。
- SEA VILLAGE 戸数:686戸 施工:長谷工、管理:野村不動産パートナーズ
- SUN VILLAGE 戸数:1,822戸 施工:前田建設、管理:三菱地所コミュニティ
- PARK VILLAGE 戸数:1,637戸 施工:三井住友建設、管理:三井不動産レジデンシャルサービス
- PORT VILLAGE 戸数:1,478戸 施工:三井住友建設
晴海フラッグについて
日本を代表するデベロッパー10社による共同事業となります。約18haの巨大な敷地に5,632戸ものマンションが建設されます。敷地内には公園・商業施設・小中学校・保育施設・BRTの停留所も新たに建設され、大規模複合開発の街が誕生します。18haというのは、東京ドーム3.7個分に匹敵する日本でも最大規模のプロジェクトです。
東京オリンピックの選手村として利用した後にリフォームを行い、住居として完成させた後に引き渡しを行う予定となっています。当初は2023年3月下旬の引き渡しを予定していましたが、東京オリンピックの延期に伴い、引き渡しも延期となっています。
本プロジェクトに関わるデベロッパーは以下10社となります。いずれも日本を代表するデベロッパーが集結しています。
- 三井不動産レジデンシャル
- 三菱地所レジデンス
- 野村不動産
- 住友不動産
- 東急不動産
- 東京建物
- 大和ハウス工業
- 住友商事
- NTT都市開発
- 日鉄興和不動産
駅距離
- 都営大江戸線「勝どき」駅から徒歩 16分〜21分
また大規模なプロジェクトであるがゆえに、街区や棟によって最寄りの勝どき駅までの所要時間が変わってきます。一番近い棟で17分、遠い棟だと21分もかかります。駅までの距離は晴海フラッグの弱点の一つです。
片道21分、往復だと42分にもなります。42分と言えば、JR総武快速で東京駅-千葉駅間くらいの時間になります。毎日徒歩で駅を利用することを想定している人にとってはなかなか厳しい距離のように思います。
しかし、駅距離のデメリットは当然デベロッパーも理解しており、敷地内にBRTの停留所が設置される予定です。マルチモビリティステーションと呼ばれるBRTの停留所までは近い棟だと1分程度でアクセスできます。また都バスの停留所も敷地内にあるため、バスの利用は便利です。
BRTについて
BRT(bus rapid transit)とは、専用走行路やハイグレードな停留所を使って定時性、速達性、輸送力を通常の路線バス以上に高めた次世代のバスシステムです。2020年からプレ運行が開始されています。現状はプレ運行でただの連結バスと言われることも多いBRTですが、2022年度以降に本格運行が開始します。本格運行時に想定されている速達性を実現することができれば、新橋、虎ノ門へのアクセスが非常に便利になりますので、交通アクセスが格段に良くなることが予想されます。
速達性が向上しても輸送力の問題も残されています。JR中央線:中野駅→新宿駅間の輸送量は74,433人/時です。一方でBRTは本格運行開始時で2,000人/時程度、将来的に5,000人/時を目指すレベルです。晴海フラッグだけで約12,000人もの住民が新たに増えることを考えると、特に利用の集中する通勤時間帯の輸送量が足りるのか不安は残ります。
私も実際に乗ってみましたが、現時点では都バスとさほど変わりありません。通勤利用には心許ないサイズ感ですし、よっぽど空いてないとベビーカーを乗せての移動は難しそうな印象を受けました。
尚、駅からの距離をカバーする為に大量のシェアサイクルを導入する予定です。ドコモサイクルシェアのコミュニティサイクルのポートを敷地内に300台分確保します。さらに晴海フラッグ住民専用のシェアサイクルも導入される予定です。カーシェアも全街区合計で13台導入します。
立地
主要駅へのアクセス
- 東京駅:18分
- 池袋駅:29分
- 品川駅:20分
- 新宿駅:24分
- 渋谷駅:27分
大江戸線は地下深くにホームがある駅が多く、地上からホームまでも結構な時間がかかる駅が多いのですが、勝どき駅は比較的浅いところにホームがあるので、大江戸線の中では使いやすい駅だと思います。とは言っても、マンションから駅までの距離があるため日常使いは少々大変です。
BRTや都バスの停留所は敷地内にあるため、便利に使うことができます。BRTであれば、新橋や虎ノ門まで一本でアクセス可能です。
都バスであれば、銀座や有楽町を経由する「東京丸の内南口」行きが通勤時間帯であれば5分に1本の頻度で運行しているので便利に使えそうです。その他四谷駅行きや錦糸町駅行きのバスも運行しており、BRTと都バスが活用できるか否かは本マンションの検討において重要なポイントです。
1日の乗降客数
- 勝どき駅:102,086人
乗降客数は駅力の一つのバロメータであると思いますので、勝どき駅の駅力は開業当初の3倍近くになったと言えます。
今後も周辺にタワマンが建設されたり、築地市場跡地の再開発が控えていたりと引き続き駅力向上による街の盛り上がりが期待できますが、本マンションは駅から20分近く離れた場所に位置します。良くも悪くもここは独立した街となると思いますので、晴海フラッグという街を好きになれるか否かは検討にあたって非常に重要です。
飲食店の数(食べログ調べ)
- 勝どき駅:559店舗
特に築地については、市場は移転してしまったものの、周辺の飲食店の多くは残っており、味にも期待できますが、晴海フラッグから月島・築地は日常使いできる距離ではなく、勝どき駅周辺に絞ると飲食店の数は激減します。
敷地内に併設される商業施設にいくつかの飲食店が入ることが想定されますが、恐らくファミリー向けのチェーン店ではないかと思います。
街全体の一体開発は非常に綺麗で気持ちの良い街になると思いますが、その後の開発余地はほとんどありません。フラッと見知らぬ居酒屋やカフェに出会うといったシーンは期待できませんので、外食派の方にとっては面白みのない街だと思います。
近隣スーパー
- 新設される商業施設(ららテラス晴海?)
- マルエツ×2
地上3階延べ床面積19,000㎡で、スーパーに加えて、生活利便施設を誘致予定です。三井不動産が手がける予定となっており、ららぽーと等多くの商業施設の運営ノウハウのある三井不動産が手がけてくれるなら安心できます。
ちなみに豊洲のアオキが1,650㎡東雲のイオンが17,000㎡なので、なかなかの規模になることが想定されます。
学校区
- 晴海西小・中学校
また、6,000㎡の校庭を有するとのことで、校庭も大きそうですし、新築の校舎に通えるというのは、親目線からしても嬉しいポイントです。プール、武道場、体育館、校庭は地域に解放される予定とのことです。
当初は2023年4月に開校予定でしたが、東京オリンピックの延期により、2024年4月(予定)に変更となっています。
待機児童数、入園決定率
- 入園決定率:57.7%
- 待機児童数:197人
中央区の入園決定率は23区平均である71.8%を大きく下回る結果となりました。待機児童数は隠れ待機児が考慮できていないことから、保育園の入園のしやすさを正確に反映できている指標ではないと思っていますので、参考程度に留めておくのが良いと思っています。
中央区全体でも人口が増加しており、それに比例して子どもの数が増加しているものの、それを受け入れるだけの保育施設が十分に足りていないと思われます。保活には厳しい区です。
今回敷地内のPORT VILLAGE内に250名、敷地隣の晴海四丁目地区に450名定員の保育施設が整備されますが、晴海フラッグだけで4,177戸、同時に入居の始まるパークタワー勝どきでは2,786戸と非常に大規模マンションの入居が2024年に重なります。
晴海フラッグに入居する方の多くは子育てファミリーでしょうし、パークタワー勝どきにもかなりの規模の子育てファミリーが入居することが予想されます。
恐らく引き渡しからしばらくの間は上記の定員700名では収まりきらない可能性が非常に高いと思います。さらにそのすぐ後には豊海エリアでのタワマン建設やパークタワー勝どきのノース棟の建設も待ち受けており、早期に状況が改善するとは思えません。
保活は非常に苦戦することが想定されます。仕事等の都合で保育園入園がマストなご家庭は保育園に入れない(入れても非常に遠方になる)リスクが高まりますので、十分に考慮されることをおすすめします。
尚、中央区の保活事情については以下記事の「待機児童問題」という項でまとめていますので、ご興味のある方はこちらも合わせてご覧ください。
中央区の保育園の調整指標の中に「中央区に継続して在住している期間が長い世帯」という項目があります。引き渡しを機に区外から引っ越し予定の方は既に中央区に住んでいる方と比較して不利になるので要注意です。
パークタワー勝どき記事 僕とパタドキの100日戦争
(ちなみにこの記事は私のメインブログで最も多くの方に読まれている記事です。とても長いのですが、かなり気合いを入れて書いた記事なのでお時間ある時に是非ご覧いただければ嬉しいです。)
公園
- 晴海ふ頭公園
- 晴海緑道公園
- 豊海運動公園
SEA VILLAGEの南東側の海沿いに晴海緑道公園も新設されます。他にも各街区間の空地にすべり台などを設置した児童遊具ゾーンや水遊びのできる池など多くのスポットが配置される予定で、子どもにとってはたまらない街となっているように思いました。
都心に暮らしていると近くに公園すらないような場所もある中で、中央区にいながらここまで広大なスペースが確保されているのは晴海フラッグの大きな特徴の一つです。
運河を渡ってすぐのところに豊海運動公園もあります。最近改修?されたばかりでとてもきれいな公園です。個人的には晴海フラッグ内で多くの方は完結するような気もしますが、選択肢が多くあることはいいことです。
災害危険度
新たに開発を行う街ということで地震に伴う災害リスクはかなり低いです。また、海沿いで水害の危険性が高そうなイメージがありますが、堤防の高さは6.5mと十分な高さを確保しており、水害リスクも限定的です。
以下は、都内5,177丁目中の順位で、順位が低いほど危険度が低いことを表します。
地震情報サイトより抜粋
形成された年代が新しく、沖積層を中心とした地盤です。主に海面下での堆積物でできているため、軟弱な地盤となっています。
- 建物倒壊危険度:5086位 ランク1
- 火災危険度:5084位 ランク1
- 総合危険度:4767位 ランク1
液状化
東京の液状化予想図サイトより引用桃:液状化の可能性高、黄:液状化の可能性有、緑:液状化の可能性低
本マンション建設地は黄色エリアですので、液状化の可能性があります。
洪水・高潮
ハザードマップポータルサイトより引用上記は洪水と高潮のハザードを重ねたものになります。
本マンションは最大で3mの洪水や高潮のハザードエリアとなっています。6.5mの堤防を準備しているのでリスクは限定的ですが、洪水や高潮のリスクはゼロではありません。
建物
街全体
街全体はゆとりある敷地を活かして開放感のある設計となっています。加えて、視界の抜け感や街全体の連続性も意識した機能的な住宅棟配置となっています。電柱や駐車場を地下に整備したことで圧倒的な開放感を創出しています。加えて、3,900本もの中高木を採用したことで、緑豊かな風景となります。海に囲まれた街ということで随所に海を感じるデザインを採用しています。
セキュリティについても力を入れています。街の至るところに約750台もの防犯カメラを設置し、敷地内にあるセキュリティセンターから24時間有人管理で不正侵入や火災などを監視します。セキュリティセンターにはALSOKのスタッフが常駐しており、防犯カメラのモニタリングや街の巡回を行います。
建物全体
一部住戸で内廊下を採用していますが基本的には外廊下で、廊下の幅は1,500mmを確保しています。一般的なマンションの廊下幅が1,200mm程度なので約300mmもゆとりがあり、ベビーカーや車椅子の方も動きやすい設計となっております。エレベーターは一部を17人乗りと大型にしたり、高低差のあるエントランスにはスロープを設けるなど誰もが安心して移動できる導線に細部までこだわっています。
また板状のマンションでは珍しく各階ゴミ置き場を設置しており、生活利便性についても配慮されています。
デザイン
晴海フラッグは新しい東京のフラッグシップを目指して生まれる街となります。なんと25人ものデザイナーが集結し、新しい東京の顔を創り上げていきます。そしてその25人のデザイナーをまとめ上げるのが、光井純&アソシエーツ建設設計事務所の光井純さんです。光井さんは幕張、柏の葉、武蔵小杉などの大規模再開発に関わっており、どの街も緑を有効に活用した素敵な街となっています。
またマンションの設計にも関わっており、直近だとパークタワー晴海やプレミスト有明ガーデンズの設計を手掛けています。どちらのマンションも非常に魅力あるマンションです。光井さんであれば、25人の才能を活かしながらきっと素敵な街を創ってくれるものと思います。
街のデザインについては、全体のデザインガイドラインを策定し、色彩計画・素材感・建物のボリューム感などをコントロールし、そのガイドラインにそって25名のデザイナーがデザインを進めていくことで、それぞれの個性を活かしながらも統一感のある街並みを目指しています。
駐車場
駐車場を地下に整備していることも晴海フラッグの特徴の一つです。地下に整備したことで雨の日など悪天候の日でも雨に濡れることなく車の出し入れが可能です。
また配送やゴミ収集車などのサービス導線も地下で完結させる設計としているため地上の交通量が減少し、歩行者はより安全に街の中を行き来できるようになります。
非常に豊かな敷地計画なので、地上に平置き駐車場や機械式駐車場を整備したほうがコストは安くなったはずですが、しっかりとコストを掛けて地下に駐車場を整備したことで、空地率50.3%という圧倒的なゆとりある空間を確保することができ、中庭などの開放的な空間を創出しました。
駐車台数も十分な数を確保しておりSEA:313台、SUN:530台、PARK:457台(後発のタワマン分含)もの数を確保しています。駅遠立地ということで車を使う方も多いと思いますが、車利用の方にも優しい設計です。
共用部
元々選手村として利用されていた名残で各マンションの1Fに住戸はなく、全て共用施設(一部テナント)が入ります。なんとその数51個。その内26個は居住する街区を問わず利用することができます。共用施設が豪華だと言われるタワマンであっても共用施設の数は10個もあれば十分です。他のマンションでは体験できないほどの共用施設の充実度合いです。
遅れて建設される予定の2つのタワマンの48階に設けられるスカイラウンジは全入居者が使うことが可能です。基本的に眺望の良い部屋が多いマンションですが、眺望に期待できない部屋にお住まいの方もスカイラウンジから絶景を楽しむことができます。
以下は主要な共用施設になります。
- ゲストルーム
- パーティルーム
- ブックラウンジ
- キッズルーム
- DIYスペース
- スタジオ
- カフェラウンジ
- スポーツバー
- シアタールーム
- 会議室
- ワークスペース
- 足湯
- スカイラウンジ(バーラウンジ)
各街区の特徴
SEA VILLAGE
全てが新豊洲方面の海を眺める棟配置となっています。オーシャンビューの良さを活かすためにビューバスを積極的に採用しています。また専有部の設備についてもSEA VILLAGE限定のの設備もいくつかあり特別感のある街区です。晴海フラッグ内では勝どき駅へのアクセスが比較的良好です。
PARK VILLAGE
最も勝どき駅から遠い場所にある街区です。レインボーブリッジに面した住戸が多く、目の前が公園となっているため、レインボーブリッジビューを楽しめる住戸が多くなっています。SUN VILLAGE
最も都心方面に位置する街区です。PARK VILLAGEと同様にレインボーブリッジ向きの住戸が多いですが、一部住戸では消防署に眺望の一部を遮られています。都心方面に位置することから東京タワービューを楽しめる住戸もあります。
またBRTの停留所でもあるマルチモビリティステーションに最も近い街区になるので、BRTをメインで使う想定の方にとっては便利な街区になります。新たにできる商業施設にも近いので日々の買い物は最も便利です。
専有部
専有部にもこだわりが見られます。特徴的なのは広さを十分に確保した間取りが多いことです。都心のマンションの平均より20㎡以上も広い平均専有面積を実現しています。
近年都内の新築マンションでは数の減ってきた4LDKを約540戸も準備しています。お子さんが複数いたり、在宅勤務が主流になって在宅勤務用の部屋が必要だったりと自宅で過ごす時間が長くなってきている今だからこそ、ゆとりある空間でたくさんの部屋を求めている人は増えていると思いますが、そんなニーズにマッチしています。
玄関にアルコーブを設けて十分な奥行きを確保し、邸宅感を演出しながらプライバシーを確保しています。また玄関扉や室内廊下の幅も大きめにし、段差をなくしたフルフラットな設計にするなど専有部でもあらゆる人の生活のしやすさに配慮した造りとなっています。
柱はアウトフレーム化されていて、
各種設備のグレードも単価にしては充実しています。
ディスポーザー、食洗機、床暖房はもちろん、ガスコンロやキッチン・洗面所の水栓も上級グレードを採用しています。
キッチン天板はクオーツストーンを採用し、浴室にはミストサウナもあります。バルコニー面にはLow-Eガラスを採用し断熱性と日射熱を遮る性能を向上させています。
SEA VILLAGEはスロップシンクや浴室タイルパネル、トランクルームが配置されるなど一部仕様が異なります。
各部屋にはエネファームが設置されます。エネファームとは都市ガスから取り出した水素を利用して発電し、発電の時に発生した熱を給湯にも利用できるエネルギー利用効率が良いシステムです。年間で23%の光熱費削減効果が見込めるということで、月々の光熱費を抑えることができるのはありがたいです。
ネット回線についても光回線を各住戸で専有することで1Gbpsの高速通信が可能となっています。
在宅の時間が長くなっていることでマンションのネット回線が混雑してスピードが遅くなりがちですが、専有回線となることで安定した通信品質が期待できます。
価格
販売価格
平均で坪300万程度と中央区の新築マンションと考えれば破格の安さとなっています。のらえもんさんのブログで各住戸の価格をまとめられていましたのでご紹介します。既に販売済み住戸もあるので参考までにご覧いただければと思います。
SEA・PARK VILLAGEはこちら
SUN VILLAGEはこちら
巷の噂では価格の値上げなく販売再開との情報もありますが、今後どのような価格設定となるかは現時点では不明です。
管理費・修繕積立金
管理費・修繕積立金の考え方が特殊です。街全体・各VILLAGE・各棟の3つに管理が分かれており、それぞれで管理費と修繕積立金が発生します。街全体の管理費・修繕積立金はどの住戸も㎡あたりの単価は同じですが、各VILLAGE・各棟についてはそれぞれ単価が異なります。部屋の大きさや棟によっても異なりますが、管理費・修繕積立金で35,000円〜50,000円/月は必要となります。
一般的な板マンと比べると毎月のランニングコストは高額なので要注意です。
周辺相場
中古
- ザ晴海レジデンス 築12年 勝どき駅11分 坪320万円前後(新築時坪210万前後)
- THE TOKYO TOWERS 築13年 勝どき駅5分 坪340万円前後(新築時坪215万前後)
新築
- パークタワー晴海 竣工2019年築 月島駅12分 坪350万前後
- ブランズタワー豊洲 竣工2022年予定 豊洲駅4分 坪400万前後
- パークタワー勝どきミッド 竣工2024年予定 勝どき駅1分 坪425万前後
駅距離はありますが、BRTの可能性、共用施設の充実度合いや専有部の仕様、商業・学校・公園一体開発と魅力はたくさんあるマンションです。
ポジティブポイント
眺望
周囲を海に囲まれており、目の前を遮るような建物は基本的にありません。よって、レインボーブリッジや東京タワーなどTHE東京な眺望を楽しむことができます。特にレインボーブリッジビューは魅力があります。都内にもレインボーブリッジビューのマンションはいくつもありますが、レインボーブリッジとの距離が近い晴海フラッグは、圧倒的な迫力があります。
実際に現地でご覧いただくのが一番ですが、昼も夜も絶景を楽しめる点は魅力的です。
豪華な共用施設
共用施設の数は全部で51と非常に恵まれています。共用施設の利用を通じて住民同士の交流も深まりそうですし、こんなに多くの共用施設を楽しめるマンションはこれが最初で最後となる可能性もあります。
複合開発
マンションだけでなく、商業施設、公園、小中学校、保育施設等多くの施設が同時に開発されます。晴海フラッグという街で生活の全てが完結するのは便利です。特に小さな子どもがいる我が家にとっては学校も含めて街の中で生活が完結する安心・安全は魅力的です。
中央区とは思えない価格
中央区の新築マンションが坪300万というのは破格だと思います。駅からは遠いですが、都心からの物理的な距離は近いのでタクシー利用もできますし、駐車場は充実している為、車移動が主の人からすれば、駅距離はデメリットになりません。
中央区の新築マンションが坪300万で買えるチャンスは今後もうないかもしれません。晴海フラッグのコンセプトにハマる人からすれば格安のマンションだと思います。
今の相場だと坪330万くらいが妥当かと個人的には思いますので、坪300万であれば10%近く割安になります。この価格で販売が開始されるとなれば抽選は避けられないと思います。
温泉
近所の新豊洲に千客万来施設がOPENする予定です。サウナーの私としては、近所にスーパー銭湯(と言って良いのか?)ができれば気軽にサウナに通えることになるので大きな加点材料となります。役所
晴海フラッグから中央区役所までは非常に距離がありますが、お隣の晴海四丁目地区に公共施設が新設される予定です。区の特別出張所、保健センター、図書館、おとしより相談センター、認定こども園が入る予定なので、役所絡みの手続きはここで完結しそうです。ネガティブポイント
駅からの距離
やはり駅から徒歩20分というのは多くの人にとって大きなネガティブになると思います。大人の足で20分なので、子どもの足だと30分は覚悟しておく必要があります。そうなると子ども一人で電車利用というのはあまり現実的でないように思いますので、塾や習い事等の移動は、家族のサポートが必要となることも覚悟しておく必要があります。
BRTの将来性
BRTが想定されているバス以上モノレール以下のレベルの交通手段として機能するのであれば、駅からの距離に対するデメリットは多少薄れますが、現状はまだ都バスに近いレベルです。本当に速達性は改善されるのか、輸送力は事足りるのかまだまだ不安は残っています。
周辺の商業、飲食店不足
敷地内に商業施設ができることで生活に最低限必要な買い物は事足りるものと思いますが、それ以外の買い物は、何を買うにしても不便です。飲食店も周辺にはほとんど店がなく、勝どき駅まで出ても飲食店はさほど充実していないため、外食が好きな方からすれば物足りないと思います。
管理
管理費・修繕積立金の項で触れたとおり、この街は街全体・各VILLAGE・各棟に管理が分かれています。4,145戸というとんでもない規模の街をまとめ上げるのは至難の業だと思われます。管理面のトラブルが起こりうる可能性があったり、ご自身が理事会の一員として管理に関わることになる可能性があります。
ランニングコスト
管理費・修繕積立金は一般的なマンションに比べて高いです。マンション価格自体は目に優しい価格となっていますが、ランニングコストも含めて支払いに問題ないかを確認する必要があります。個人的な気になった間取り
とんでもない数の間取りがあるため、全てを紹介しきれないですが、その中でも個人的にいいなと思った間取りを各街区ごとにご紹介します。SEA VILLAGE
4D98B 4LDK 98.73㎡ 17階 8,650万(坪289万)SEA VILLAGEの特徴の一つは全てが海方向を向いておりオーシャンビューを楽しめることです。
加えてこの間取りでは浴室に窓のあるビューバスを採用しています。ただでさえ気持ちの良い眺望を浴室から楽しめるというのは考えただけでニヤけてしまうほど魅力的です。
眺望を楽しむことができる点も素敵なのですが、晴海フラッグ内には約4,000戸もの住戸が一度に引き渡されます。万が一将来手放すことになったとしても常にどこかの部屋が売りに出ている状況になると思います。
そんな時に数少ないビューバスの間取りは大きな差別化になりますので、将来的なリセールバリューにも期待できると思います。(購入金額から値上がりするというほどではなく、大きな値下がりなく売却できるというレベルです)
在宅勤務中心等の理由で駅距離のデメリットが気にならない方が晴海フラッグを検討されると想像されます。となると仕事部屋は必須となりますので、多くの部屋がある4LDKは魅力的です。
4LDK×ビューバスという希少性を兼ね備えた間取りを魅力的に感じる人は多いと思います。
間取り自体も非常に綺麗で、4つの部屋の内3つの部屋がLDと別となっており、プライベートも十分に確保されています。廊下だけなく、キッチンからも洗面室にアクセスできる導線は使い勝手も良いです。
また価格も最上階である17階でも坪289万と目に優しいです。グロスも8,000万台で収まりますので、昨今の都内新築マンションを検討されている方からすれば、購入を検討できる方も多くいらっしゃるかと思います。
PARK VILLAGE
6F88 3LDK 88.47㎡ 13階 8,790万(坪328万)PARK VILLAGEの特徴はレインボーブリッジビューの住戸が多いことです。全戸がレインボーブリッジを向くA棟はその眺望の付加価値が考慮され、平均は坪400万前後と晴海フラッグ内では単価が高めとなっています。
一方でF棟の多くはSEA VILLAGEを向いており、ごく一部住戸のみがレインボーブリッジを向いています。ご紹介する間取りはF棟の中の数少ないレインボーブリッジビューの間取りとなります。
結果としてレインボーブリッジビューを楽しみつつも単価は坪320万台と目に優しい単価になっており狙い目であると思います。(現在HPに間取りが公開されているので完売はしていないと思いますが、第一期でどれだけ販売されたのかは不明です。既に完売となっている可能性もありますのでご承知おきください。)
高層階でも眺望が抜けて良さそうですが、低層階でも目の前に緑豊かな晴海ふ頭公園が見えるため、眺望を楽しむ事ができそうです。階毎の価格差が小さめのため、高層階を狙うのが王道になりそうですが、低層階の魅力も十分あります。
尚、以前バッハ会長がレインボーブリッジビューを満喫している動画がTwitterに上がっていました。この圧倒的な開放感を毎日楽しむことができると考えるだけで興奮して脳汁が溢れ出てくるのは私だけではないと思います。
Where Olympic Dreams are made. IOC President Thomas Bach visits the Athletes’ Village bedroom in Tokyo. "The rooms are very nice. The athletes will be happy." @Tokyo2020 #Olympics pic.twitter.com/1PuQm7derI
— IOC MEDIA (@iocmedia) November 17, 2020
眺望は3日で飽きると言われますが、この眺望は飽きない自信があります。(個人の感想です)
SUN VILLAGE
5B83 3LDK 83.84㎡ 5階 7,300万(坪290万)最もBRTの停留所や商業施設に近いSUN VILLAGEの間取りとなります。
SUN VILLAGEについてはまだ販売を開始していない(販売準備中にコロナで販売延期)ため、まだ全ての住戸にチャンスがありますが、ご紹介するのは南西から北西を向く角部屋です。
全ての部屋がリビングと分かれており、プライベートが十分に確保できています。加えて各部屋の間取りも綺麗な上に全ての部屋がバルコニーに面しており、どの部屋も開放感があります。リビング面の角部分の窓面も非常に綺麗で角部屋の良さを最大限享受できそうです。
階にもよりますが、リビングからは東京タワーとレインボーブリッジを、各洋室からは東京タワーを楽しむことができる方向を向いています。生活のしやすさと眺望の両方を満喫できる間取りとなっています。
この間取りについては5階をおすすめします、理由は以下の通りです。
B棟(この間取り)の目の前に新たに建設された消防署があります。消防署を抜けてくる階になるとレインボーブリッジがばっちり見えてくる為、4階上がるだけで1,400万円も価格が上がります。
- 5F(消防署より低い階) 7,300万円台(約坪290万円)
- 9F(消防署より高い階) 8,700万円台(約坪345万円)
晴海フラッグ(HARUMI FLAG)は全体的にとても開放感のある敷地計画なので、相対的に近くにあるように見えますが、個人的にはあまり気になるほどの距離感には感じませんでした。
写真だと伝わりづらいかもしれないですが、こんな感じです。(左がB棟、右が消防署。奥にうっすらとレインボーブリッジが見えます)
恐らく、消防署を超えない5階であっても南西側のレインボーブリッジは多少見えそうですし、北西側の都心ビューも楽しめそうです。2、3階になると目の前の豊海の倉庫で遮られてしまいそうなので、都心ビューを楽しむ為には、5階以上だと安心です。
つまり5Fは消防署を超えないおかげで、単価はかなり抑えられているものの、レインボーブリッジも一部楽しめる上に、都心ビューも満喫できる為、非常にコスパが良いと判断しています。
B棟前から北向きからスタートし、周辺をぐるっと撮影しました。地上からなので多少イメージは異なりますが、周辺がどんな雰囲気なのかはイメージできるかと思います。
また本マンションはデザイン性を確保する為、階によってバルコニーのデザインが異なります。それはこの棟においても同様ですので要注意です。
せっかくの開放感をより多く享受できるため、個人的にバルコニーはクリアガラスを狙いたいですが、この間取りの場合、低層階だとバルコニーにコンクリの立ち上がりがあります。ちなみに5階はバルコニーが全てクリアガラスになっているので、やはり5階一択です。
細かい仕様は現物もしくはモデルルームでご確認ください。
こんな人におすすめ
おすすめできる人
- 在宅勤務中心で毎日電車に乗る必要性のない人
- 車中心の生活の人
- 安心安全な住環境を求める人
- 広い部屋と多くの部屋数を求める人
- 多くの共用施設や公園を使い倒したい人
- 山手線東側が勤務地の人
おすすめできない人
- 電車の利用が多い人
- 外食派の人
- 食べ歩きやカフェ巡りが趣味な人
- 共用施設の利用に興味がない人
まとめ
さすが日本を代表するビックプロジェクトなだけあり、非常にボリューミーな記事となってしまいました。それくらいこのプロジェクトには多くの魅力が詰まっています。間取りも非常に多く、今回ご紹介した間取り以外にも気になる間取りがたくさんありました。既にSEA・PARK VILLAGEの2街区は第一期の販売が完了し、多い部屋では70倍近い倍率が付いたとも聞いています。
「住まい」としては非常に魅力的な部分が多いマンションですが、駅距離があったりと、万人受けするマンションでないのは間違いありません。ご家族皆さんがこの駅距離を耐えることができるのかしっかりとご検討いただくことをおすすめします。
逆にこのマンションがマッチする方には、この価格で買える最初で最後のマンションとなる可能性が高いと思いますので、販売再開に向けてリサーチを開始されることをおすすめします。既にマンション自体は建設されているので、現地に行って雰囲気を感じてみるのも良いかと思います。
東京オリンピック延期に伴い、引き渡し時期が延期になったことで、一旦販売が止まっています。早ければオリンピックが終わった夏から秋にかけて販売が再開となる可能性があります。
価格については一部の情報では当時と変わらない価格での販売の可能性も噂されています。湾岸マンションの相場は右肩上がりで上がっており、当初通りの価格で販売再開するのであれば、より割安さが際立ちますので間取りによっては大抽選会になると思います。
コロナ感染対策のため、モデルルーム来場者を絞るはずなのでモデルルームの予約すら取れない状況が続くかもしれません。
エントリーがまだの方はこちらから資料請求とエントリーを早めに済ませて販売開始をお待ちいただくことをおすすめします。
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凄い調査されてて、とても参考になるし、素晴らしい記事だと思うのですが、何か教科書通りというか面白味にかけるので、もっと主観的に、ドンドンぶっちゃけると読者を惹きつけるものになると思いました。
のらえもんさんとかマンションマニアさんの記事なんかはそこが面白いんですよね。
コメントありがとうございます!ご指摘の点ごもっともでとても参考になります。
読者の方にもっと楽しんでいただけるように、これからも試行錯誤しながら記事を書いていきたいと思いますので引き続き宜しくお願いします!
(というコメントが面白味ないですかね…笑)
何か上からですみません。ぜひ周りを気にせず、2ldkさんの本音を聞ける記事を楽しみにしています!
いえいえ、のらえもんさんやマンマニさんと比べていただけるだけでも光栄です。
記事が良くなったらまたコメントいただけると嬉しいです!笑