今回レビューするマンションは「ジオ覚王山」です!
物件概要
所在地:愛知県名古屋市千種区田代本通2丁目12番3
交通:名古屋市東山線「覚王山」駅 徒歩7分(4番出入口)
総戸数:52戸(うち非分譲住戸2戸含)
敷地面積:1,345.79㎡
構造/階建て:鉄筋コンクリート造地上14階建
駐車場:45台(機械式35台・平面式10台)月額使用料:2,000円~22,000円
駐輪場:78台 月額使用料:200円~500円
バイク置き場:2台 月額使用料:2,000円
分譲後の権利形態:区分所有権
完成時期:2023年2月下旬(予定)
入居時期:2023年3月下旬(予定)
用途地域:近隣商業地域/第一種住居地域
売主:阪急阪神不動産株式会社
販売代理:名古屋レジデンシャル株式会社、双日新都市開発株式会社
管理会社:近鉄住宅管理株式会社
施工会社:株式会社鍜治田工務店
設計会社:株式会社IAO竹田設計
掲示板:ジオ覚王山(仮称 ジオ覚王山マンション計画)
売主は阪急阪神不動産で名古屋初進出です。”阪急”というだけで高級なイメージがありますし、今回の物件名にもある「ジオ」シリーズは実際に関西、首都圏で多くの高価格帯の物件を供給しています。そいった点ではブランド好きな名古屋の風土には合いそうな気はしますね。
他のジオ物件は売主直で売ってますが、販売は売り主ではなく販売代理が担当してます。阪急阪神不動産の名古屋事務所開設が2019年からで、第二弾となる「ジオ八事春山」も供給しますし、今後は売主の販売部隊で売っていくのかもしれません(というか個人的にはそうしてほしい)。
IAO竹田設計はジオでの採用率は高めでデザインに定評のある会社です。また、施工の鍜治田工務店も直近のジオ物件を担当しているので、今回の設計・施工は定番の組み合わせと言えそうです。
物件周辺
広小路通の南側、南東に坂を下った先の田代本通沿いに本物件は建てられます。覚王山と物件名についているものの、”覚王山感”は薄い場所になります。やはり覚王山といえば「向陽町」、「観月町」、「月見坂町」をイメージする人は多いですからね。
”覚王山感”は薄くとも、本物件の立地に魅力がないわけではなく、田代小学校が徒歩4分、城山中学校が徒歩5分とどちらにも近いというメリットがありますし、田代本通の交差点にあることから、非常に目立つ場所に建つこともプラスですね(元はガソリンスタンドがあった場所ですから車からもよく目立つ)。
帰り道の導線にはフランテがありますので寄って帰ることも容易です。ただ、帰り道の右手側は歩道がなくなりますので、左側を歩いた方が安全ですね(駅の4番出入口からの導線が考えると、一度、左手側に渡るのは若干煩わしいですが)。
ちなみに、駅からの帰り道は本物件を目掛けて進むことになるので、心理的には駅距離を感じにくいと思います。
物件から駅までは反対に坂道になりますが、田代小学校の北側を経由することで傾斜が緩やかな道を通ることができます。その場合は3番出入り口に着きます。
敷地配置
敷地は三面接道です。駅からの導線をそのまま進むように、北方面にエントランスアプローチ設けられています。エントランス周りと、田代本通沿いにはしっかりと植栽がありますので、一目で分譲マンションとわかる外観になってますね。
田代本通沿いに駐輪場がありますので、自電車の出し入れがし易い配置になってますね。加えて、駐輪場は前面に袖壁と植栽がしっかりと設けれているため、外から駐輪場が見えないようになっている点が良いですね(意外と外から生活感丸出しの駐輪場が見えてしまっている物件も多い)。
駐車場は敷地南東と建物1Fにあります。出入口はシャッターゲート付きです。ただ、建物1F部分の平置き以外、機械式部分への人の導線には屋根がありませんので、操作盤含め、強制的に雨風に晒されるのはいまいちですね。
メインバルコニーも南東方向で、隣地との間に駐車場がくる配置になりますので、低層階でも将来的な採光が確保されているのもプラスです。さらに、南東方面は「第一種住居地域」と「第一種低層住居専用地域」が広がってますので、4F程度以上であれば結構眺望に抜け感があります。
ゴミ捨て場の導線は結構ひどいですね。がっつりエントランスを通る必要があります。曜日指定(24時間ゴミ捨て可ではない)なので頻度は少ないかもしれませんが気になる人はいるでしょうね。
建物
外観は目立つ田代本通側が共用廊下側になりますが、目立つが故に通常の共用廊下側のデザインよりもかなり力の入ったものになっていますね。特に外階段が細い縦ルーパーで覆われており、他の太さの異なるマリオンや庇とのコントラストが美しいですね(あくまでCGを見る限りですが)。
風除室とエントランスは二層吹き抜けはないので若干こじんまりしてますね。ただ、建物内のエントランス部分が大窓になっており、そこから夜は光も漏れる形になるので、歩行者から目立つ&帰宅時の満足感も十分あると思います。
エントランスと同じく、エレベーターホールまでの導線も二層吹き抜けではありませんが、導線には大窓が設けれており、外の植栽と光を取り入れることができているのは○ですね。
大窓の反対側にはちょっとしたラウンジがあります。ラウンジ背後の壁の帯状タイルが青紫っぽい”ジオカラー”になっている(たぶん)なのは個人的にかっこいいなと。
これは憶測ですが、公式HPでエレベーターホールや各階の共用廊下のパース(完成予想のCG)がないので、その辺の造りはあまり期待しないほうがいいですね(予想するよりも良かったという可能性もありますが)。
設備仕様
【良い点】- ディスポーザー
- 床暖房
- 食洗機
- キッチン水栓グローエ製
- キッチン天板フィオレストーン(角が立ち上がり)
- ガラストップコンロ(リンナイのリッセ)
- ローシルエット/手洗いカウンター(角住戸のみ)
- 洗濯機上吊戸棚
- 浴室ライトがフラットラインLED
- 玄関前カメラ
- スロップドシンク
- LowーEガラス
- 直床
- 天井高2,450mm(サッシ高は2,000m強)
- 一部ソフトクローズなし(キッチン、洗面はあり)
- キッチン換気が第三種換気(壁に電動給気シャッター)
- 中住戸はタンクありトイレ(キャビネット型)
特にこの戸数でディスポーザーが設置されているのは有り難いですし、このディスポーザーは中が取り出せて洗える仕様になっているのも珍しいです。加えて、見栄えのよいガラストップコンロやグローエ製の水栓など、キッチンの設備グレードは特に高めですね。
構造面は直床で天井高&サッシ高も低いのは残念ですが、この用途地域でこの規模感(戸数&階数)を実現することとトレードオフと考えれば納得はし易いのではと個人的には思います。
細かい点で気になったのは、キッチン、洗面台周りの扉以外のソフトクローズがないことですかね。各部屋にあるハイタイプの収納扉にソフトクローズがないと、扉を閉める際に下階に結構響くことがありますので。
間取り
Aタイプ 76.06㎡ 3LDKBタイプ 82.25㎡ 3LDK
Cタイプ 55.62㎡ 2LDK
Dタイプ 70.03㎡ 3LDK
Eタイプ 74.21㎡ 3LDK
基本的には中住戸は田の字、角住戸は横長リビングで各洋室にバルコニーを設けた作りになってますので特筆する部分はあまりありませんが、どの間取りもしっかりLDと洋室間の引き戸部分がハイタイプとなっており一体利用し易いのは良い点ですね。
AタイプとBタイプは基本的には大きくは異なりませんが、Aタイプの方が面積が小さくなっており、リビング、洋室、浴室の面積がその分小さいです(射影規制等のため)。浴室サイズが1620⇒1418になってしまうのは残念です。
価格表
最新の価格表です。いつものことながら供給済=契約済とは限らないので注意です。販売戸数:50戸
供給済:16戸
要望:6戸
仮に供給済=契約済、要望がすべて売れたとすると、半分弱の売れ行きになります。入居が2023年3月下旬ということを考えるとそこまでスピード感のある販売状況に感じられてます。しかし、そもそもの販売開始自体が2022年の4月頃で、スタートが遅かったことを考慮すれば悪くない、むしろ3ヶ月弱で半数近く契約にこぎつけていることを考えれば売れ行き好調と言っていいかもしれません。
平均坪単価は290万円程です。ただ、2LDKは単価が盛られ気味です。
角部屋かつ、グロスが抑えられたEタイプはやはり人気ですね。個人的にはDタイプもしっかり70㎡台に乗っけてくれてますし、角住戸との価格差もしっかりあるのでおすすめです。
本物件と同じ田代本通沿いの中古との比較であれば
- パークナード覚王山 2014年築 24戸 駅徒歩8分 坪200万円(中古価格平均)
- グランマノワール覚王山東 2007年築 17戸 駅徒歩8分 坪175万円(中古価格平均)
- プラウド覚王山穂波 2004年築 28戸 駅徒歩7分 坪195万円(中古価格平均)
- 倍以上の規模(戸数&階数)
- ”ジオ”ブランド
- 角地(三面接道)
管理費/修繕積立金
管理費:約192円/㎡修繕積立金:約130円/㎡
Aタイプ(76.06㎡)で
管理費:14,670円
修繕積立金:9,890円
その他(専有使用料):1,980円
管理費はディスポーザーありということを考えれば結構安いです。このあたりは24時間ゴミ捨て可ではない等でうまく調整していますね。
修繕積立金は相変わらず安い(将来の値上げ前提)ですが、注意点として初期費用の修繕積立一時金が130ヶ月分(Aタイプで130万円程)と結構高額ですので、後述しますが、この点でも若干永住目線強めの検討者が合ってきますね。
総評
良い物件ですね。立地が気に入ったなら買うべき物件だと思います。立地としては覚王山感は薄いながらも、敷地面積が1,300㎡を超えているが故に、似たような田代本通沿いの物件とは高さや規模感で差別化できてますし、デザイン性も贔屓目に見ても一番凝っていると言えますので資産価値も保たれるでしょう。
別の言い方をすれば、皆が認めるような”覚王山立地”だった場合、本物件のような一般層に向けたプランニングではなく、高級路線で”ぶっとんだ”価格の物件にならざるを得ない(低層マンションではその戸数の少なさ故、高級路線にして販売単価を伸ばさなければ事業収支が合わない)ため、本物件のようなプランニングは逆に希少です。
個人的には駅からの帰り道の途中から本物件が目の前に見えるのは気に入りました。現在はシートで覆われているので分かりにくいですが、完成すれば住戸と共用廊下の明かりで夜は特に目立つでしょうから。
あとは設備仕様に大きな違和感がないのもいいですね。この戸数でディスポーザーが付いているは素晴らしいです(管理費用も調整されており、一般的な額に収まっているのも○)し、玄関前カメラなど、本当に必要なものはしっかり揃ってますので(ただ、個人的には中住戸のトイレ手洗いカウンターは死守してほしかった。)。
設備仕様もですが、やはり、名古屋初の”ジオ”ブランドだけあって気合いを感じました。外観デザインや価格面も決して無理していない(コケない価格にしている)ですね。
若干余談になりますが、こういった戸数の中規模ぐらい(シビアにみれば小規模ですが)の物件が永住にピッタリだと思ってます。タワーマンションや大規模物件は理事会の舵取り次第であらぬ方向にマンション全体が進む危険性もありますし、20戸などの小規模マンションは、まともに運営しても将来の修繕金は不足しますから。本物件のような規模と価格帯(将来的な価格帯は住民の懐ぐらいに影響しますので)は”普通に”運営すれば廃墟になるようなリスクは少ないです。
なので、本物件は覚王山ブランド&良い学区で永住目線のファミリーに合ってくる物件だと思います。
まだまだ住戸を選べる段階にはあるので、気になる方はモデルルームに訪問してみてください。
本物件やその他のご質問・ご相談はコメント欄かTwitterまでお願いします。
それでは!
記事にコメントする