私は「2LDK」という名前で活動していることもあってか、2LDKを検討している方からの相談をいただくことがよくあるのですが、最近その数が増えたように感じます。不動産価格の高騰に伴い、部屋の広さや数を抑えることを検討する人が増えてきているのかなと想像しています。
私自身は妻と2人暮らしの時に初めての新築マンションを契約したのですが、その後引き渡しまでに子どもを授かり、今は未就学児の子ども2人含めた4人家族で2LDKに暮らしています。当時は「合理的に考えて2LDK」と言って記事を書いたりもしましたが、4人家族で2LDKで生活できるのか現状をお伝えします。また現在子育て中・今後お子さまを考えてらっしゃるご家庭でこれから2LDKを検討される方向けに検討のポイントをまとめてみたいと思います。
過去記事はコチラ
【はじめてのマンション購入記】⑩合理的に考えて小さな2LDKを選んだ
利用用途を想像する
在宅勤務があるのであればどこで仕事をするのか。子どもがいるのであれば、いつどのタイミングで子ども部屋を与えるのか。複数の子どもがいる場合はそれぞれに子ども部屋を与えるのか。寝室はどうするのか…etcこれを10年〜20年スパンで考えることが重要です。将来のことは誰にも分かりませんが、最も起こり得る可能性の高いプランを想定し、その想定に耐えうる部屋の広さや数なのかを考えることで必要最低限の部屋の広さや数が見えてきます。
特にコロナ禍以降在宅勤務を行う人も増えてきているため、仕事をどこで行う想定なのかは重要です。夫婦揃って在宅勤務がある場合は、部屋数の必要度が大きく変わってくるので要注意です。
またこれからお子さんを考えてらっしゃる方で在宅勤務を想定している方は、リビングと独立した部屋があると便利です。子どもが小さい間は泣き声など結構な音が出ますので、リビングインの洋室で仕事をする前提(しかもweb会議があれば尚更)だと音問題は注意する必要があります。仕事をする側にとってもストレスですが、仕事の間中音を出さないように気を使わないといけない子どもやパートナーはもっとストレスがかかります。
最も広い家が必要な期間は限られている
個人の価値観にもよりますが、人生の中で広い家や多くの部屋が必要な期間は限られています。例えば4人家族で家族それぞれに個室が必要となれば4LDKがマストになりますが、子ども部屋を与えるのを10歳とし、22歳で就職を機に家を出ると仮定すると4LDKが必要な期間は12年になります。子どもがいなくなると同じ前提であっても2LDKで事足りることになります。(子どもの年齢差によって期間は変化します)子どもによっては、部屋はきょうだい同室でいいタイプもいると思いますし、中学生くらいで海外留学だったりスポーツに打ち込むために寮生活を行ったりすることになって、親元を離れてしまう可能性もあります。そう考えると仮に30歳で家を購入したとして、4LDK(最も広い家)が必要な期間は12〜15年程度、男性(筆者が男性のため男性で想定)の平均寿命である79歳まで生きる前提だと31〜34年は妻との2人暮らしになります。
同じエリアで4LDKを2LDKにすれば住宅費はグッと抑えられますのでその分を趣味に回すことも可能ですし、同じ予算で探せばその分都心や駅近立地を選ぶことが可能になりますので、生活利便性が向上します。部屋の広さや数に正解はありませんが、何を優先するかを明確にしておくことで家探しは進めやすくなります。
単価を上げれば住み替えの難易度は下がる
個別の事情にもよるのであくまで一般論ですが、同じ予算であれば部屋の広さを小さくして坪単価の高いマンションを購入した方がRVに期待できます。想定外の事情で住み替えを検討する際にも残債割れが発生することなく売却を進めやすいです。例えば予算7,000万で55㎡の2LDKを買うと坪420万程度のマンションが買えますが、80㎡の4LDKだと坪290万程度になります。前者なら都内の駅近マンションが買えますが、後者だと都内は少し厳しくなります。
どちらが良い悪いというものではないですが、昨今生活スタイルは急速に多様化しその変化のスピードは加速しています。人生の選択肢を増やす点でも住み替えのし易さは家選びの重要なファクターになってきていると感じています。
住宅ローン変動vs固定論争と似たような雰囲気がありますが、リスクとリターンのバランス、そして個人のリスク許容度を踏まえて条件を整理していくことが重要です。
住み替えできないリスク
実際に子育てをしてみてより強く感じるようになったリスクがあります。想定外のことが起こった際に住み替えできないリスクです。必要最低限の部屋を確保した場合だと、想定外のイベントによってより多くの部屋が必要になる可能性があります。部屋の数を減らすことはできても増やすことは基本的に難しいので、住み替えが必要になります。
子どもがいる状態での住み替えはグーンとハードルが上がります、転園・転校問題があるためです。
同一生活エリア内での住み替えとなれば選択肢が限られますし、エリア外への住み替えとなれば子どもが慣れ親しんだ友人や先生と離れてしまう上に引越し先で新しい保育園・幼稚園を探す必要が出てきます。無事見つかればいいですが、保活の厳しいエリアの場合は新しい園が見つからなかったり、自宅から距離のある園に入れる必要が出てくるリスクもあります。
私の場合は、新築で2LDKを購入する際に、周辺(可能であれば同じ通学区内)の中古をチェックし、同じ予算で3LDKの出物があるか、そこに住むことが許容できるかを考えました。新築を購入する予算があれば、築年数と駅距離を妥協することで周辺の中古を購入することが可能なエリアもあります。築10〜15年程度かつファミリー向けマンションが多く建っているエリアであれば選択肢も豊富なため、リスクを軽減できます。3LDKの賃貸も豊富なエリアであればより選択肢が広がります。
4人家族で2LDKは生活できるのか
全く問題なく生活できています。2つの洋室の1つを家族の寝室に、もう1つを私の在宅勤務用の仕事部屋として使っています。未就学児2人含む家族4人、小さな2LDKで暮らしていますが部屋の大きさや数で困ったことは今のところありません。でも「下の階の人に迷惑だから飛び跳ねないで!」と子どもに注意しないといけないのはストレスです。その点戸建ては強い。
— 2LDK (@2ldk18) February 23, 2023
子ども達は基本リビングで遊んでいますが、親の目が届くという点では独立した子ども部屋があるよりもリビングで遊んでもらった方が安心感があります。(リビングが子どものおもちゃと絵本まみれになりますが)
今は問題ないのですが、もう暫くすると子ども部屋が欲しい年頃になってきます。我が家は子どもが2人いますので、子ども2人が同じ部屋で良ければ問題ないのですが、それぞれ部屋がほしいとなると部屋の絶対数が足りなくなってくるのは懸念事項です。
おまけ:今後の戦略
今は家族4人で2LDKという生活に満足しており、特に不便はしていませんが今後3LDKへの住み替えを検討しないとけなくなる可能性があります。子ども部屋をどうするかという問題です。まずは私が在宅勤務で利用している仕事部屋を子ども部屋に切り替えます。となると私の仕事場所がなくなってしまうのですが、リビング・各部屋に小さなデスクとモニターを設置し、その日空いている場所で仕事をするフリーアドレス化を考えています。
加えて自宅周辺のシェアオフィスの契約も検討しています。その点同じ棟内にシェアオフィスがあるマンションは魅力的です。*自宅外で業務を行っていいかどうかは社内ルール要確認
プラウドタワー亀戸クロス1Fに入っているシェアラウンジ。フリースナック&ドリンクに加えアルコールも飲み放題。33,000円/月で使い放題飲み放題はお得感ある。自宅下にこんなスポットあったら毎日飲みに行ってしまいそうだし、在宅勤務の際や気分転換でも使えて便利。ここが今日一テンション上がった。 pic.twitter.com/2L7rGpK3IZ
— 2LDK (@2ldk18) April 28, 2022
さらに1人1部屋の子ども部屋が必要になるケースも想定されます。その場合は、一番大きい洋室を2部屋に分割するリノベーションも視野に入れています。どこまでの規模にするかは子どものニーズによりけりですが、縦に割る(部屋の間に壁を作る)のか、横に割る(二段ベットの大きい版)のか等々色んなプランがあり、妄想を楽しんでいます。
並行して3LDKへの住み替えも検討しています。現居は気に入っており、将来的には戻ってきたい気持ちもありますので、買い替えだけでなく賃貸で住む可能性も視野に入れています。その間の現居の取り扱いは銀行にも相談が必要になるので、その結果如何で方向性も変わってきます。
どの選択肢を選んだ場合でも共通して言えることですが、住宅を購入する30〜40代はライフスタイルの変化が最も激しい時期です。人生における優先順位を明確にし、その時々で最良の選択を行う柔軟性が重要だと思っています。
現在のお住まいは、2LDKで広さはどのくらいなのでしょうか?
特に2つの洋室がそれぞれどのくらい有ると、想定の生活が可能でしょうか?
あきさま
コメントありがとうございます!
身バレ防止の為ちょっとぼかしますが、現居は60㎡以下の小さな2LDKです。
今の我が家の使い方であれば、ダブルベッドが2つ入る3m×2mのスペースはあれば、寝室として最低限許容できます。仕事部屋は3畳もあれば十分なので5畳と3畳くらいでしょうか。柱の食い込みや部屋の形によっては5畳でもダブルベット2つ入らなかったりするので実際にベッドがおけるスペースがあるかは要注意です。
一方で将来的な子ども部屋のことを考えると、子ども部屋+妻と私の寝室が必要になります。子ども部屋は2人の子どもが利用、寝室はシングルベッド2つを置くことを想定すると子ども部屋:6〜7畳、夫婦の寝室:4〜5畳くらいは欲しいかなと思います。
私は狭い部屋が苦にならないタイプなので結構ギリギリを攻めていると思いますが、普通の人の感覚だと狭いと感じる方も多くいそうです。
個人の価値観によって変わってくる部分かと思いますので、ご参考程度にご覧ください。
個別事情あれば以下フォームより個別相談も可能ですので、是非ご活用ください!
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