シエリア甲子園一番町 こういう(買えそうな)物件を待っていました!!!(西宮市)【神戸犬】

仕事のし過ぎで ついに体調を崩したので有給休暇を取得し、気になる物件の現地を見て参りましたのでご報告いたします!(錯乱)

その物件は、西宮市甲子園一番町 関西電力甲子園社宅跡地に建設中のシエリア甲子園一番町です。

(販売は2023年9月販売開始とのことで、モデルルームOPENの情報は5月下旬現在では不明です。よって、皆さま出遅れていませんので、資料請求のうえ寝て待ちましょう。)



2枚とも敷地北側の公園から撮影している(敷地内に庭園を作るわけではない)。


東向き、西向き棟の存在は価格にバリエーションがでるためよし。総76邸中52邸が南向きとのこと。


物件概要

  • 所在地 :兵庫県西宮市甲子園一番町52番1(地番)
  • 駅徒歩 :JR東海道本線(神戸線)「甲子園口」駅(南口)まで徒歩13分+2号線信号待ち
  • 用途地域:第一種中高層住居専用地域
  • 他規制 :防火地域、第2種高度地区、地区計画(用途、建物高さ12m)
  • 総戸数等:76戸、地上4階
  • 敷地面積:3,997.64㎡ ひろい!
  • 建物竣工:2024年8月上旬(予定)
  • 引渡し :2024年10月中旬(予定)
  • 売  主:関電不動産開発株式会社
  • 施工会社:不二建設株式会社
  • 設計監理:株式会社IAO竹田設計 (最近、本当によくみますね!)
  • 駐車場 :62台(80%) 機械式61台、平面1台(来客用)、月額使用料:未定
  • 駐輪場 :152台(戸あたり2台)
  • 土地権利:所有権
掲示板:シエリア甲子園一番町ってどうですか?

現地周辺地図

2WAYアクセス。現代的価値観を基に悪く言えば中途半端なのですがJR一本足打法は危険なので良い。


終電間際の「甲子園口駅どまり」というトラップに引っかかった人は少なくあるまい


総括

  1. ポジティブ要素もネガティブ要素もバランスよく存在するかつ自社用地開発なので、手の届きうる価格となりそうな予感がします。前回記事(ジオ甲子園口 二見町)はネガティブ要素が少ないあまり私自身が買える価格帯になる見込みが全く立たず執筆が止まりそうになりましたが本件は違う!
  2. 都市部へのアクセスと日常生活利便性はお世辞にも高いとは言えず、現代的価値観に照らすと弱駅の駅遠物件になる※が、甲子園◯番町というイメージの良さに加え四方路かつ大きな敷地を活かした配棟計画と設計には期待大。ここだから実現できた造り込みを購入検討者がいかに評価して価格に織り込める(納得できる)かが検討のポイント。※サブ最寄りの阪神甲子園駅はいい駅です。
  3. ただし、甲子園◯番町シリーズのうち住宅街としての品等が高いエリアからは微妙に外れているというか、端に位置するというか街区品等の判断に困る場所であるため、本物件の造り込みによってその品等を引き上げて頂きたい。関不様、そのうえで控えめな価格をお願い申し上げます。
  4. ハザードは西宮物件あるあるで避けがたい。武庫川の近くなので、万が一に備えて共助の精神を持ち住民と地域が一体となって日常から防災や減災の活動に取り組んで欲しいと思います。
  5. 地縁があるなど短期売却の予定がなく半永住思考の方なら第1期イのイチバンで2〜3階以上に予算内の部屋があればGOしてもよいのでは。私なら初期のキャッシュアウト重視で3階東向きかな。

敷地北西から撮影。ブロック全てがマンション敷地。

一般的要因

今のところ金利については前回記事から概ね変更はないためスルー。

不動産業界への貸出残高の推移と警戒感やピークを打った取引数、海外取得勢の買い控え動向から、プロ界隈(事業用不動産)では既に選別や様子見の段階であることは否めないが、マンション購入に際して一個人が懸念する金利動向はまだそのステージにない印象。

国土交通省により発表された「2022年度民間住宅ローンの実態に関する調査」では、変動金利型を選択する方が76.2%(前年+6.2%)と4年連続で上昇。新築での利用割合は73.4%、中古は20.8%、借り換えは5.8%で、中古向けは5年連続で増加。

地域分析

シエリア甲子園一番町における典型的な市場参加者は、西宮市在住の地縁や土地勘を有する標準的な所得のファミリー層を中心に、買い替えシニア層もいらっしゃると考えます。それを踏まえ、本マンションと価格関連性が強い地域を西宮市におけるJR沿線(山手幹線より南)・阪神沿線(国道43号線より北)駅徒歩圏の 標準的からやや高い品等を有する住宅地域と判断しました。

(余談ですが、阪神間の広域検討者層を典型的な市場参加者層からあえて外してみたのは、その層は神戸市灘区~尼崎まで東西軸で検討していると推定するところ、駅力と徒歩距離の問題からこの物件にビビッとくるのかが疑問だったからです。しかし、標準的な所得層の目線で直近の新築価格を眺めていると買えそうものが本当に少ない。そうすると範囲を広げる・希望条件を変えるしかないので、阪神間でお探しの方は駅徒歩で敬遠せずに、とりあえずモデルルームは行ってみるべきだと思いますね。価格は正義です。同じように、いま話題のパークホームズ伊丹稲野ガーデンスクエア パークフロントも阪神間東西検討者層がそこまで北上するのかなぁと疑問に思っていますので、来場者アンケートによる属性を見たくてたまりません。)

公式HPのトップ画像を見ていると阪神間モダニズム推しというより、自然環境を推したいのかな?ターゲット層をどこに置いているのか上手く読み取れず。


余談が長くなりましたが、本マンションにおける典型的な市場参加者は現代的な生活利便性や交通アクセスよりも住宅地としての品等や居住環境(いわゆる住み心地)、教育環境を重視して購入意思を決定すると考えます。

→その市場参加者の観点から物件レビューを行うスタンスです。

 

生活利便性は下記画像及び公式HPのとおり、あまり便利とは言えませんが最低でも電動自転車が、欲を言えばマイカーがあれば困らないかなと。駐車場設置率が高いのでその点の考慮はされています。現地調査時はKOHYOやライフまで歩いてみないとですね。



交通アクセスについては最寄駅からJR大阪駅へは14〜5分(朝4〜6分間隔)、JR三ノ宮駅へは18〜25分(朝4〜9分間隔)とのことです。45分未満で職場につきたいですね。このエリアを選ばれる方には許容範囲と想像されます。

小学校、中学校距離は下記画像及び公式HPのとおり。



物件から小中学校までの道は夕方に歩いてみるなど現調必須です!!朝は見守り隊がいてくれるようです。夕方は不明。


ところで、公式HPに下記の表記があったのですが、これは何をアピールしたいのか判断に悩みました。



学校区問題はデリケートなので不動産屋は安易に書けないし、販売員もうかつに発言しないよう徹底的に教育されています。ひとつわかっているのは、アピールしたい時は何らかの形でアピールしてくるということです。この画像はそのアピールが表出したものなのか?単に公園の横やでと言いたいのかわかりませんが、とりあえず学文中学校区内ということは印象に残りました。市場参加者の中心となる地縁者等なら元から十分にご理解されているので特にアピールはいらないはずで、一つでも差別化を図ったのかな?

社宅時代のGoogleマップスクショ。


資料請求者へのパンフでもアピールばっちり。「暮らしやすさが魅力」ですか。ちなみに、ほんわか商店街は撮影日と時間が悪くシャッター通りと化しておりましたので賑わう時間帯に要チェックです。


同学区内の物件のグランドサンリヤン甲子園三番町では熱烈アピール。


 

エリア所感について現地周辺を見て回った感想としては、共同住宅もあるものの標準的な土地の使用方法は戸建てエリアであると感じました。建築中や建築予定の土地も多くあり住宅需要が底堅い地域と思います。この点は後述の地価推移や公示地の鑑定士コメントもご確認ください。

駅徒歩の問題や地区計画による規制等もあって主として戸建てエリアではあるものの、これだけまとまった土地が出た場合は宅地・戸建て分譲ではなく当然分譲マンション計画を真っ先に検討するというエリアでもあります。少し弱々しいことも書きましたが、マンション販売における駅徒歩距離のネガティブを打ち消せるだけの住宅地としての品等や魅力はあると思います。甲子園◯番町という地名からイメージするようなぴかぴかの場所ではないというだけです。

いつも誰かが花の世話をしているような、管理度が高い公園と感じました。


前回記事(ジオ甲子園口 二見町)では西宮市内の住宅選好地についてマクロな視野で書きましたが、シエリア甲子園一番町が存する甲子園一番町を含む甲子園◯番町シリーズの一部については、商業・交通利便性を追求する価値観とは一線を画すというか、住み心地のよさが需要を保持しているといった印象があります。

ここで再び参考に、市場参加者の観点からエリアを西宮市内に絞った住宅地の公示地価ランキングを掲載します。(面積要件なし、10位まで。()内は変動率。)
  1. 羽衣町1-15(JRさくら夙川駅北西) 446千円/㎡ (2.8%)
  2. 高木西町18-9(阪急西宮北口駅北東) 440千円/㎡ (4.3%)
  3.  南昭和町8-10(阪急西宮北口駅北西) 439千円/㎡ (3.3%)
  4. 雲井町1-45(阪急夙川駅北西) 434千円/㎡ (2.1%)
  5. 甲子園六番町8-20(阪神甲子園駅北東) 425千円/㎡ (3.4%)
  6. 大井手町7-18(阪急夙川駅北東)  419千円/㎡ (3.7%)
  7. 甲子園二番町9-12(JR甲子園口駅南・本マンション最寄り)  412千円/㎡ (2.5%)
  8. 二見町8-6(JR甲子園口駅北) 408千円/㎡ (3.3%)
  9. 二見町13-31(ジオ甲子園口 二見町の隣) 404千円/㎡ (3.1%
  10. 甲子園四番町12-8(阪神甲子園駅北東・本マンションから2番目に近い)  404千円/㎡ (3.6%)
西宮市内は、西北、夙川、甲子園が上位ランカーですね。◯番町シリーズでは、二番町、四番町、六番町の公示地価がランクイン。

こうして見ると、坪300万円を優に超えたジオ甲子園口 二見町の隣の公示地よりも、シエリア甲子園一番町から西に360mのRank.7の甲子園二番町の方が地価が高いです。

じゃあ、最寄りの公示地価等が高いからといってシエリア甲子園一番町の売り坪単価がジオ甲子園口 二見町より高いのかというと、決してそんなことはないはずです。(そうですよね関不様!!?)それは周辺の競合物件の価格や土地取得の経緯も関係してきますし、また戸建て用地とマンション用地では需要者層も異なるため、観点・求めるポイントや価格へのアプローチが異なるからです。差異の主たるものは駅徒歩距離の捉え方です。

これは余談ですが、二番町の標準地と一番町の本件マンションでは街区品等が異なるところ、モデルルームは二番町の標準地近くにあります。そのモデルルームから本件マンションまで歩く街並みがこれまたいい感じなんですよね。上手いところにモデルルームがあるなぁと思いました。

こうしたデータから地価の関係やエリア感などを少しずつ把握していきます。事業用実務では参考の参考程度になりがちですがマンション検討には悪くない。

人口推移

今回はまたもや作業時間が確保できず。地価の推移に包含されているという解釈でお願いします。本当は自然減や社会減、世帯数推移などもコメントしたいのですが。すいません。

地価動向

近隣の地価動向を、今回は土地勘つかみのために物理的距離を基準に選定した住宅地で計3ヶ所チェック。



1.甲子園二番町9-12(JR甲子園口駅南・本マンション最寄り)  158㎡の画地規模が大きい戸建て用地。



2.甲子園四番町12-8(阪神甲子園駅北東・本マンションから2番目に近い) 162㎡の画地規模の大きい戸建て用地。

ポイント選定が2022年のため推移は有効に機能せず。


3.甲子園六番町8-20(阪神甲子園駅北東)114㎡の標準的な画地規模の戸建て用地。



西宮-46と西宮-3の担当鑑定士4名のコメントは下記の通りです。(西宮-33は遠いのでcut。)

二番町 46の1人目「(地域要因将来予測)中小規模の戸建住宅が建ち並ぶ住環境が良好な住宅地域であり、当面は現状のまま推移すると予測する。地域への選好性の高さから需要は堅調であるため、地価は若干の上昇傾向を示すものと予測する。」

「(市場分析)同一需給圏は西宮市のJR東海道本線及び阪神本線沿線に存する住環境が良好な住宅地域で、需要者は同市に居住する中高所得者が中心となり、隣接他市からの転入も認められる。中略。需要の中心価格帯は、規模によるが対象標準地と同規模の画地では6,500万円前後となっており、小規模な戸建住宅で6,000万円前半である。」

2人目「(地域要因将来予測)中小規模一般住宅を中心とする住宅地域であり、今後とも現状の住環境を維持するものと予測する。選好性が高く需要は根強いため、地価水準は微増乃至やや上昇傾向で推移するものと予測する。」

「(市場分析)同一需給圏は省略。需要者の中心は西宮市内の居住者のほか人気の高い住宅地域であるため市外からの流入もある人気の高いエリアにあり利便性と住環境が比較的良好な住宅地域で需要は根強い。以下、省略。」

 

四番町 3の1人目「(地域要因将来予測)中規模一般住宅を中心に共同住宅も見られる住宅地域であり、今後も現状のまま推移するものと予測する。良好な住宅地域であり、住宅地としての需要は根強く、今後も地価は堅調に推移すると予測する。」

「(市場分析)同一需給圏は、西宮市内のJR東海道本線及び阪神本線沿線で、住環境が良好な住宅地域である。近隣地域及び周辺地域は、名声のある高級住宅地域で、需要者は、阪神間の中高所得層、買い替え層等が中心となり、同一需給圏内のほか他所からの転入も認められる良好な住宅地域で需要は根強いため、地価は堅調に推移している。土地は標準地の規模で6千万円台半ば程度である。」

2人目「(地域要因将来予測)類似のためcut。」

「(市場分析)同一需給圏は省略。需要者の中心は、市内若しくは阪神間居住の比較的所得の高い層である。居住環境の優れた住宅地域としての認知度も高く、底堅い需要が認められ、地価は上昇傾向にある。需要の中心となる価格帯は、120㎡程に分割された土地で4000万円台後半、新築建売住宅で6500万円前後である。」

良い住宅街なんだろうなぁーという印象を持たれましたかね?

私は先入観を持たないようにするため、ブログにて同一需給圏と典型的需要者層を定める段階ではこれらの情報を読んでいません。結果、概ね私の分析と一致しており自信を深めたわけですが、唯一大きく異なったのは需要者層の所得水準の推定です。

上記の分譲戸建価格帯を購入できる層は、甲子園〇番町エリアではマンションより戸建を買う方が多いと思います。駅徒歩のネガティブも生じないですし、そういうエリアだと思います。そういった意味で、また一番町の地域性からシエリア甲子園一番町の価格は分譲戸建の価格帯を下回る必要があると思います。そのうえで共用施設の充実などマンションならではの魅力を付加しなければ選ばれにくい•価値が維持されにくいと思います。その点、シエリア甲子園一番町は敷地規模を活かして需要者層のニーズを満たした魅力を付加できているか、後述の建物欄でチェックします。

一方で、グランドサンリヤン甲子園三番町は立地の優位性からプレミアム感を演出し坪300万円前後の攻めた価格帯になっていますが、シエリア甲子園一番町にはその戦い方はできないと思いますし、自社用地なのでそんなリスクを犯す必要もないと思います。以上の考えから、需要者層の所得水準の設定に差異が生じたと自己分析しました。

価格分析(概観)

平均分譲価格と単価の推移について。

マクロな範囲では、長谷工CRI・不動産経済研究所によると近畿圏の2023年3月の新規供給戸数は前年同月比12.4%増と2022年12月以来3か月ぶりに前年比増、初月販売率は73.7%と前年同月比0.8%増と3か月ぶりの70%となったとのことです。また、近畿圏全体の1Rを除く平均分譲単価は前月比5.7%減の749千円/m2(坪2,476千円)、平均面積67.75m2、平均価格は5,075万円と前月比8.9%減とのことです。これだけ減少しても平均が5千万円オーバーですかぁ。

地域別価格動向では阪神間(1Rを含む)の平均分譲単価は前月比7.9%増の764千円/m2(坪2,526千円)、神戸市は前月比14.6%増の921千円/m2(坪3,043千円)でした。。その時点を切り取った平均なので、時々爆発するのはわかるのですが、それにしてもね。

次に、ミクロな範囲で価格関連性が特に高い甲子園〇番町エリア~JR甲子園口駅までにおける2017年以降の分譲単価について。

(年数は竣工・駅徒歩は最寄り駅より概測含・単価は中層階イメージ)
  • 2016/47戸/  15分 レジデンスコート西宮若草町 220万円台
  • 2016/27戸/ 16分 ザ・パークハウス 甲子園若草町 195万円前後
  • 2017/16戸/ 7分 ジェイグラン甲子園口 レジデンス 230万円台
  • 2018/13戸/8分 ワコーレ甲子園 欅通り 265万円前後
  • 2018/24戸/5分 プレサンス グラン 甲子園五番町 295万円前後
  • 2020/22戸/8分 クレヴィア甲子園欅通り 250万円台
  • 2020/30戸/8分 クレヴィア甲子園四番町 275万円前後
  • 2020/26戸/6分 ブランズ甲子園口三丁目 280万円台
  • 2020/32戸/12分ブランズ甲子園若草町 235万円前後
  • 2021/37戸/9分 パークホームズ甲子園四番町 275万円前後
  • 2021/134戸/12分 パークホームズ甲子園花園町 225万円前後
  • 2022/45戸/14分 グランド・サンリヤン甲子園三番町 305万円前後
関不様 ご相談ですが、戸数もありますしパークホームズ甲子園花園町を価格ベンチマークにして、時点修正程度で販売してみませんか??

市場参加者の観点からすると、地域性や駅徒歩を考慮すると2階南向きは高くても総額で5,500万円くらいになってくれないと困るわけですよ!2階の東向きと西向きは高くても4,800万円とかでないと困ります。すなわち、2階南向きで高くても坪248~258万円とかになりませんかね??県道340号線と駅に近づけば地域品等があがるため280~300万円とかになるのはわかりますが、本件はどちらからも遠いですし周辺に少しネガティブ要因があり、かつ自社所有地なので変な上乗せ不可避要素はないはずです。公園隣接はプラス要素もあればノイジーキッズや人の目によるマイナス要素もありますからね!

まったくのエリア外ですが、需要者層が広域的に見た際、ジオ阪神芦屋もネガティブ要素がややありの自社所有地含みで低層階 坪265万円前後でしたので、これ以上に高いとなるとエリア違いといっても感覚的にうーん?となるのではないかなと。

前回記事では妄想で入札用地における用地仕入れマンの悲哀を書きましたが、自社所有地では価格決定プロセスが全く異なると考えております。妄想ですが、自社所有地での開発計画で最重要なことは「失敗しないこと」です。すなわち、チャレンジが正解ではなくなります。初月販売率が良すぎると安く値付けしすぎたとして担当者が𠮟責を受ける会社も多いらしいですが、自社所有地開発では恐らくそうはならない。入札比でたっぷりと多くの時間をかけて調査・分析をしたうえで商品設計を練り上げ、原価と利益率を考慮し周辺事例分析(販売推移や内情)から導いた適正価格に時点修正と要因補正を行って、商品設計でカバーできるほんの少しの価格の色付けを行い、標準的な販売期間でサクッと売り切る。若干の売れ残り用に予備費も工面しておく。理屈をこねながら全てを滞りなくちゃんとこなす。減点なく少々の加点を狙う。私なら、間違いなくそうします。

個別分析

いつも通り土地の最有効使用は分譲マンション敷地ですから、地歴・ハザード・現地周辺道路等のみ記載します。

地歴・ハザード

  • 図書館に行けず、時間もないので航空写真でご勘弁を涙。MR訪問後など、あとで更新するかもです。
  • 社宅跡地なので直近変なものがあったわけではなく、人が普通に住んでいたという安心の実績
  • この地図は、時系列地形図閲覧サイト「今昔マップ on the web」((C)谷 謙二)により作成したものです。

1909年。WIKIにも書いてあるとおり、武庫川の治水工事前なのでハザード的観点では一発退場の時期ですね。


1929年。治水工事後、住宅開発が始まるころ。甲子園球場が100周年記念をしておりますから、まさにこの頃から甲子園住宅の歴史が始まっております。


1967年。すでに今と変わらないように見える気が。。図書館で過去地図を見ずに判断は危険ですけどね。


ハザードは武庫川(0.5~3.0m)と高潮(3.0~5.0m)にヒットします。前も書きましたが、西宮市の物件はこればっかりはどうしようもない。。避けているのは夙川だけ。5.0mとなると、2階でも床下浸水の可能性はあります。2階と3階の価格差が大きいかもです。本当に起こりうるリスクなのか?単なる最大リスクで蓋然性は低いのでは?という思いもあるのですが、近年高潮に苦労した人も多いのでうかつなことは言えない。



平成10年以降の浸水履歴(内水氾濫)は以下の通り。



頻度は低いですが、浸水履歴ありとでました。


西宮市による雨水対策工事はなし。

浸水履歴があるのに工事なし?とすると、詳しくは市役所の担当窓口でヒアリングしたいですね。土地取引の物件概要書には書かれるでしょうから重要事項説明書にも載るはずです。


市場参加者の観点からはハザードヒット物件同士の比較では特段の減価要因にはならないという基本がありますので、ハザードマップ上の減価はないのですが、浸水履歴は少々効きますね。通報すると地価が下がるジレンマ。

次は断層(地震)です。赤が活断層。とおい。

出所: 中田 高・岡田篤正・鈴木康弘・渡辺満久・池田安隆(1996)1:25,000都市圏活断層図「大阪西北部」 ,国土地理院。


(断層との距離と揺れやすさ等について、西宮市の公式見解はこちら。)

http://www.jiban.co.jp/geodas/guest/index.asp
GEODASより参照。基礎や杭は考慮してあるはずで、モデルルームではアピールされると思います。


現地周辺

本マンションは四方路地であるため東西南北に接面する道路の写真と周囲の風景をベタ貼りします。気になる方は現調の前にGoogleマップで散歩もしてください。

北面


東面


南面


西面


雰囲気のよい公園がある一方で




敷地南東 大通り沿いのこのビルの管理度は気になる。

建物

ちからつきましたので、建物、間取り、共用施設や最後のまとめは、追記か次記事とさせてください。その方がよい記事がかけるはずです。

急ぎますが、資料請求や現地調査をしながら気長におまちください。

ここまで書いたとおり、ぴかぴかではなくネガティブ要素もあるのですが、住みよい場所でプラス要素もふんだんにあるので価格次第では満足度の高い買い物になるはずです。

本記事が真剣検討者の情報収集に少しでも役立ち、売り主と買い主の情報の非対称性が埋まりますように。

 
  • 留意事項
  • 画像等の引用元について特記無きものは公式HPや売主開示資料です。
  • ブログスタンスとして、HP等に載っている情報の転記は少なめに考え方や知識の提供を行います。
  • 住居における地域要因は重要事項と考えますので厚めに書いています。
  • 筆者は不動産鑑定士ですが記載する事項は執筆時点における私見であり、情報の正確性・完全性を保証するものではございません。

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■神戸生まれ、神戸育ち、神戸住まい。子が複数いる30代パパです。総合不動産会社でマンションデベ以外の仕事をしております。
■売り側と買い側の情報の非対称性を少しでも解消し、購入者の後悔なき選択を後押しする。ことをミッションに兵庫エリアのマンションレビューを行います。
■パパとしてだけではなく、不動産鑑定士兼再開発プランナーの観点から味のあるレビューを心がけています。

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