神戸市の人口減少問題に乗り遅れるだけに飽き足らず、西宮市物件の記事ばかり書く神戸犬でございます。
今度は神戸市内の私的注目マンションについて書こうと思います。
さて、前回に引き続きシエリア甲子園一番町のレビュー(建物編)です。今回はMR開設前のため価格がわからず、内容薄く短め。
前回記事(土地編)はこちら。
物件概要
- 所在地 :兵庫県西宮市甲子園一番町52番1(地番)
- 駅徒歩 :JR東海道本線(神戸線)「甲子園口」駅(南口)まで徒歩13分+2号線信号待ち
- 用途地域:第一種中高層住居専用地域
- 他規制 :防火地域、第2種高度地区、地区計画(用途、建物高さ12m)
- 総戸数等:76戸、地上4階建
- 敷地面積:3,997.64㎡
- 建物竣工:2024年8月上旬(予定)
- 引渡し :2024年10月中旬(予定)
- 売 主:関電不動産開発株式会社
- 施工会社:不二建設株式会社
- 設計監理:株式会社IAO竹田設計
- 駐車場 :62台(80%) 機械式61台、平面1台(来客用)、月額使用料:未定
- 駐輪場 :152台(戸あたり2台)
- 土地権利:所有権
現地周辺地図
2023年6月末において、まだ案内会のお知らせは届いておりません。気になる方は引き続き、資料請求のうえストレッチをして待ちましょう。
おさらいですが、前回記事にてシエリア甲子園一番町における典型的な市場参加者を、西宮市在住の地縁や土地勘を有する標準的な所得のファミリー層を中心に、買い替えシニア層も含まれると記載しました。
建物編においても引き続き、当該市場参加者目線でレビューしたいと思います。
建物
一棟編
市場参加者観点からのプラスポイント- 戸数規模(76戸、EV2基)
- 駐車場設置率(80%)
- 敷地規模、整形かつ四方路地という土地を活かした配置計画。歩車分離や植栽位置など。
- 共用部棟が独立的
- 共用部集会室にキッチンあり
- コワーキングスペースあり(席数や細かい配慮に期待したいが狭そうに見える気がする。)
- 公園の反対側に主要開口部が向いていること。(公園の近くに住んだら砂埃や子供の声に文句は言えませぬから。)
- 機械式駐車場がほとんど(稼働率は高そうですが、維持費のほか入出庫でストレスがあるやも。車寄せの屋根や広めの待機スペースが欲しいです!関不様、細やかな配慮をお願いします。)
- ゲストルーム(市場参加者は地縁者が多そうなので必要性は低いのでは?それよりコワーキングスペースが広いほうがファミリー層には嬉しいかなと思います。)
- (おそらく)床暖房無し。
元よりマンションの断熱性はたかく、新築マンションの設備はその時代における概ね最新のものが導入されることから比較的高効率でした。木造戸建てに比べると、コンクリ住戸はそれはもう快適なわけです。
最近の新築マンションでは企業のブランディング戦略の観点からZEH-M Oriented以上の取得が必須となっている会社も多いと聞きますが、噂では取得に際しては戸あたり数百万円※の工事費用増とか。要件を満たせば補助金も出ますが、増加分が通常は全て販売価格に転嫁されるわけです。※増加の程度は各社の標準仕様との差異による。
正直、外皮断熱性能のアップはHPをみてもわかりませんが、高効率設備はHPを見る限り通常の仕様と大して変わらない気がします。
事業用のZEB(Bはビルディングのビー)認証取得では少々費用増となるが1~2年のランニングコストの低減分により回収可能な程度で、認証に必要な費用は1棟300万円程度と聞きました。その代わり、取得のための設計調整期間等が通常にプラスで1.5か月程度要するということなので、ZEH-Mにおいてもそれらがコスト高の一因なのでしょうか??家庭の水光熱費程度では回収より先に設備寿命が来そう。
ZEH-M orientedは認証取得のためのエネルギー消費量の削減ハードルは高くない印象ですし、工事費が10%近くアップする要因にはなり得ない気がするのです。
不確かな情報を基にあれこれ書くのはいけませんが、仮に戸あたり数百万円の費用増加となるのであれば、そんなのいいから安くしてよと言いたくなるのが市場参加者の気持ちではないでしょうか。
環境問題について意識低い系企業になることは許されませんが、私はこのZEH-M必須化の流れが市場マーケティングの結果からくるものではなく政策・企業側の理屈ありきな気がしてならず、どうにも腑に落ちないのです。事業者は配慮してます感を出せますが、結局は購入者が割を食っているだけのような。税整備も気になる。
実需の新築マンション市場において環境認証の有無で価格・売れ行きに差が生じる、中古市場において明確な売りになる。そしてそれらが統計的に明らかになる、すなわち一般市場参加者にプラス要素として明確に認知されるようにまではZEH-Mを増価要因としては扱いにくいかもなぁと今は考えています。ましてや費用(価格)増が伴うならなおさら。
公式HPの該当ページはこちら。
以上、余談でした!!決して環境問題を軽んじているわけではなく、追加費用を出す購入者がその社会的・経済的意義を見出せるようになればいいなという趣旨です。
よって、検討者はモデルルームにて、ZEH-M認証についてや外皮・断熱性能と設備がこれまでの標準仕様とどう違うのか、コスト面や住み心地はどうか、まわりの客の反応はどうかなど納得いくまで質問するのが良いと思います。クオリティブックも熟読したいですね。
高い買い物ですから、納得してその価値を見出せることが大事です。
専有部編(間取り)
情報公開されている間取りは以下の通り。
【主要開口部 南】
あとは資料請求者限定でLタイプがあります。画像掲載は控えますが感想を。70.48m2。2LDK+S+2WIC+N。洋室2はWICと言えるのかなという狭さ。玄関から洗面室が近いのはよいですが、市場参加者目線では少々使いづらい間取りなので単価は落ちそうです。70m2は超えていますし予算重視ならねらい目かも。
【主要開口部 西】
あとは資料請求者限定でPタイプがあります。画像掲載は控えますがこれも感想を。68.15m2。3LDK+WIC。間取り表記が一番普通です。表記は違えど南向きにおける限定公開Lタイプと後記のSタイプの西向きver.ですね。70m2を下回り市場参加者のうちファミリー層向けではないことや間取りの問題から単価も総額も低く落ち着くのではと予想します。予算重視の買い替えシニア層ならサクッと購入できるのでは。
mapをスクショしてて気づきましたが、もしかして北西角部屋は3~4階なら六甲山系を望める?個人的に六甲山が見える物件や部屋は大好き。勉強で嫌になるたびに六甲山系を眺めて目を癒していました。
【主要開口部 東】
間取り終了。情報公開はまだまだこれからですね。私の主観(好み)では北西角部屋が気になりました。
総括
私としては、やっぱりそこまで高くならないんじゃないか、相応の価格と合わされば駅徒歩距離の問題等をカバーできる以上の魅力は充分にあるのではないかと感じました。近年はびっくり価格が続いておりますが、まぁまぁまぁくらいに落ち着くと思っています。実需マンションですからびっくり価格についてこられる人は多くはないはずです。(ところで、ジオ甲子園口 二見町はあのあと販売価格を引き下げたんですかね?)
駅距離だけでなく、ハザードのことや床暖房のことなど気になる点はありますが、それらは全て価格でカバーしてくれたら私としてはOKでございます。
周囲には多くのマンション供給があったものの住み心地のよさからか値崩れしているようなデータは出てこないため、長期居住希望者には安心材料となると思います。供給履歴が多いということは安定的な需要があるということです。中古市場のライバルが増え続けるということでもありますが、実需エリアなので同時かつ大量に在庫が膨らんだりはしないはずですし、しっかりと売りがあるマンションです。
(将来ライフプランがやや不明瞭の方こそ、特に階数や間取り、間取り表記にお気を付けください。)
販売開始までは時間があるため、検討者の方は周辺の中古マンション等もウォッチ・内覧しておき、近居となる両家どちらかのご両親とタラレバ話をしておくなど、販売開始時に「良き」と思った際に飛び込める準備をしておくのがよいと思います。(もしかすると、支援をいただけたりするかも。)
内容が薄く恐縮ですが、真剣検討者の何かのタシになりますように。
- 留意事項
- 画像等の引用元について特記無きものは公式HPや売主開示資料です。
- 筆者は不動産鑑定士ですが記載する事項は執筆時点における私見であり、情報の正確性・完全性を保証するものではございません。
記事にコメントする