『ジオタワー大阪十三/阪急阪神不動産』・・・・通常のマンションレビューではこの深すぎる街を語る事ができないような、かと言ってどこまでリアルに掘り下げれば良いのか。迷いが生じる私、今回も長くなりそうです。。。(汗)。
目次
「十三」を語る前に、「京都駅」の思い出を少々
私が大学受験のためJR京都駅に初めて降り立ったのは1990年台初頭。地方の田舎育ちだった私は『京都駅=京都の中心=大都会』だと思い込んでいたので、目の前に広がる京都駅前の白々としたどこか暗い街並、唯一ド派手なパチンコ店、古びた旅館、人通りも少なく、閑散とした京都タワー・・・、そんな駅前の街を見て「京都の中心街がこれか。。。」と、茫然と立ち尽くしたことを今でもリアルに覚えています。今でこそ『京都駅』は訪日旅行者で賑わい、大学移転だ、高級ホテルだ、チームラボのアートギャラリーだと期待感あふれるエリアになっていますが、当時の京都駅周辺は利権が複雑に絡み合い様々な事件・抗争が起こっていて、地元の方はまず近づかないエリアだったのです。長年塩漬けされた「武富士呪われた土地」なんてのも駅前の一等地にありました。(今は晴れて見事にホテル開発されましたが)田舎から出てきたばかりの18歳の私にはそんなこと知る由もありませんでしたが。
大学受験のため1週間ほど京都駅前のホテルに宿泊していたある夜、たまたま立ち寄った書店で行動する作家「開高健」に出会いました。そこから京都の大学に合格し一人暮らしを始めた後も、彼の本を読み漁りたどり着いたのが「輝ける闇」。開高健がベトナム戦争取材のため南ベトナム政府軍に従軍した際、激しい戦闘に巻き込まれ奇跡的に生還した体験がベースになっている作品です。
死と隣り合わせの戦争の最前線へ向かう事を決意した彼は、
徹底的に正真正銘のものに向けて私は体をたてたい。私は自身に形をあたえたい。私はたたかわない。殺さない。助けない。耕さない。運ばない。煽動しない。策略をたてない。誰の味方もしない。ただ見るだけだ。わなわなふるえ、眼を輝かせ、犬のように死ぬ。
若きkyoto1192の世界観にかなり影響を与えた言葉。
ただ見るだけだ。
世の中には正解か不正解か、YESかNOか、白か黒か、善か悪か、右か左か、敵か味方か、どちらが正しいかわからない、限りなくグレーな事は山ほどあり、はっきりと答えを出せぬその苦悩がこの言葉に表れているようでした。
この小説のタイトル『輝ける闇』は「何でも見えているようで、実は何も見えていない」そんな逆説的なような矛盾したような意味があります。
戦争に釣りに遊びに食に酒に世界中を命懸けで駆け巡った彼とは対照的に、私は地雷のない平和な京都市内をひたすら駆け巡る日々を過ごす事になろうとは。。。
台風が通り過ぎた翌日の京都は五山の送り火、
今日の空は気持ちが良い
私が降り立った頃の京都駅は暗かった、どうしようもなく暗く見えた。鉛色の冬の空だったからかもしれないが、今日のように誇らしげな京都タワーには見えなかった。あれから30年。あんな風に見えた街も人も空気も良いか悪いかは別として、変わりました。
台風明けという事でJR京都駅の新幹線のりば(中央口)はどことなくパニック気味。
まずは「十三」と思ったのですが、「新大阪」へ。
さぁ、私の戦場へ。
「十三」駅とつながる『新大阪』駅への期待、そして『うめきた』へ
日本経済新聞2023.6.7 記事/吉田翔悟
十三再開発に350億円
阪急阪神不動産、タワマン建設軸に
保育所や図書館も併設
歓楽街に住環境整備
十三駅は阪急京都、神戸、宝塚の3路線が乗り入れる。1日あたりの乗降客数は約5万8000人で大阪府内の阪急の駅では大阪梅田駅に次いで2番目に多い。阪急は十三駅から関空までつながる「なにわ筋連絡線(仮称)」と新大阪に乗り入れる「新大阪連絡線(同)」の2路線の事業化を検討している。実現すればさらに増える可能性がある。
京都駅から新幹線乗車14分で「新大阪」駅に到着。体感的には10分ぐらい、京都からすぐ。
京都駅の中央口よりパニック感強めでした。
大阪市HPより
リニア中央新幹線の全線開業によるスーパー・メガリージョンの形成などの新たなインパクトや社会状況の変化に備え、広域交通の一大ハブ拠点となり大きくポテンシャルが向上する新大阪駅エリアを中心に、近接する十三駅や淡路駅の周辺を含めた一体のエリアを対象として、20年から30年先を見据えたまちづくりを進めています。
『スーパー・メガリージョン構想』をご存知でしょうか?
2027年にリニア中央新幹線が開通(東京-名古屋)・2045年に名古屋-大阪間(前倒しで2038年を目指す)が開通することで、首都圏と中部圏と関西圏の3大都市が一つに繋がり、巨大な経済圏を作り出す計画。
そこで『新大阪駅』に大きな期待が寄せられています。リニア中央新幹線が開業すれば、品川駅から新大阪駅まで1時間強で到着、ビジネス面においても、東京本社企業の関西進出、移転などのニーズが高まると予想されいます。『新大阪駅』は関西や西日本の交通拠点となるだけでなく、さらに日本とアジアの各拠点をつなぐ一大ターミナル駅としての役割が期待されているのです。
とはいえリニアが大阪に到達するのは早くて15年後、かなり先の話になりそうですが。。
では、現在のリアルな『新大阪』駅周辺はどうなんでしょうか?
駅北側へ。新大阪駅で降りる事なんてまずないので、どこがメインストリートなのか、中心部なのかがよくわかっていませんが予想通り、オフィス街って感じです。
街のランドマーク的存在なのでしょうか?
ニッセイ新大阪ビル。
ブラブラしていると、
メルパルク大阪。
京都駅前のメルパルクは閉鎖となりましたが、こちらのメルパルク大阪は営業しています。しかし調べてみると、現所有者の日本郵政不動産との定期建物賃貸借契約の終了に伴い、2023年12月31日に営業を終了、53年の歴史に幕のようです。
メルパルク跡地の活用が気になります。その西側に一際目立つ黒いビル。
野村不動産によるオフィス『PMO EX 新大阪』。コロナ禍だった2021年7月1日に開業しました。
現在関西エリアには4棟、こちらの『PMO EX 新大阪』に空きテナントは無さそうです。12階建。
ビルのすぐ上を飛行機が飛んで行きました。京都では味わえない空です。新大阪駅の周辺は『伊丹空港への着陸ルート』になるため、建物の高さが100mに抑えられ梅田地区に見られるような高層ビルはありません。新大阪に大都会を感じないのはこういう事だったのですね。
メルパルクの北にはJR西日本不動産開発による『新大阪第2NKビル』。2022年1月開業でした。13階建。
これはかなり空いているような。。。どうした新大阪のオフィスニーズ?
駅南側、正面口にも回ってみました。
大阪万博2025に向けて『新大阪駅』の存在感は高まるのでしょうか?
駅南側はパッと見る限り、気分が高揚するような空気は流れていません。オフィスばかりで魅力的な商業施設はあるのでしょうか?
さぁ、十三と思ったのですが、
新大阪駅~十三駅~なにわ筋線うめきた新駅(大阪駅地下ホーム)を結ぶ新線が2031年開業するので、「うめきた」にも行ってみました。
グランフロント大阪。
北側に建設中のクレーンが見えました。
これが「うめきた」。ここからなにわ筋線で「十三」「新大阪」へとつながるのです。
※公式HPより
うめきた開発は続きます。これが『うめきた2期地区開発事業「グラングリーン大阪」』??
こんな街が待ってます。2024年夏先行まちびらき。※公式HPより
いつも前置きが長いkyoto1192です。。
では、そろそろ行きますか
『十三』へ
阪急『十三』駅、東口へ。
いよいよ「十三」駅、到着です!!東改札口から街へ飛び出します!!
駅を出て、私の心が一気に高揚しているのがわかりました。この感覚は「新大阪駅」や「うめきた」では生まれる事はありませんでした。
駅前のド派手な黄色い看板の『ラーメン豚山』には行列!! 一気に攻め入りたいところですが、喉がカラカラ、今はビールが飲みたくてしょうがない。
駅前にはパチンコ店。『十三東駅前商店街』
駅前にはまだパチンコ店が生き残れる豊穣さがありました。
ビール、たこ焼き、オイルマッサージ。
そうそう、この怪しげな感じ。
脇道を覗くと、奥へ奥へと進みたくなります。ここは亜熱帯のジャングル。
黄色や赤色が多めです。
とにかく暑い、ビールが飲みたい、駅前に戻り「角打ち」を目指します!
ミスドとケンタに挟まれた『十三駅前通』へ潜入します。
「角打ち」を目指し奥へと進みます。
これこれこれ!! 角打ち『イマナカ』。
店内は昼間からおっさん達でいっぱい。ここは男達の戦場だ。撤退は許されない、前進あるのみ、行け行け進め進め1192!
と、勢いよく飛び込んだものの、今日は店員が一人でこれ以上はキャパオーバーで対応できないと、入店できず。。。そんな、嗚呼、ジーザス。このビールのために今日を生きてきたと言っても過言ではない私。
(後日某夜)
リベンジを果たしました。阪神にチャンスが訪れる度に店内は歓声で包まれます。
食べたかった卵、牛すじは売り切れていました。
もう喉はカラカラで限界、小腹もすいた、そうだ駅前のラーメン店で『ビールとラーメン』という黄金コースを頼もう! お店をググったりタグったり口コミ見たり、今時の予習なんてしない、自分の中のリトル1192が「行け」と言えば行くのだ。
嗚呼、ビールがありませんでした。水をガブガブ飲みました。予習は必要ですね。
おっさんには腹一杯のボリューム。これが二郎系ってやつか。
喉の渇きと空腹を満たした私、満足げに十三の空を見上げ大事な事を思い出す。
「はて、私の今日の目的は・・・・ジオタワー大阪十三・・・・。マンション計画の最前線へ向かわなければ・・・。」
(夜)駅東口。危うい雰囲気はありません。
本気でマンション検討しているなら、朝昼晩と現地を見にいくべしです。
より詳しく『ジオタワー大阪十三/阪急阪神不動産』を知りたい方はこちらから
『ジオタワー大阪十三』現地へ
再度、『十三駅前通』へ潜入。「一軒め酒場」を曲がります。
(夜)
アーケードを抜けると建設現場が現れました。
通りを挟んで左右に建設現場があります。
右側(西側)のアーチ状の建物は
(仮称)大阪市淀川区十三東計画 西敷地 新築工事
「学校法人 履正社」の名前が見えます。医療・スポーツ系の専門学校を建設する計画で、規模は地上9階建、高さ約40m、延床面積6,700㎡、2022年7月の着工、2024年3月の竣工を予定。
こんな外観になる予定です。
東側のクレーンが建つ敷地こそ『ジオタワー大阪十三/阪急阪神不動産』
阪急「十三」駅より徒歩3分です。
(夜)
“阪急阪神不動産が次代の「十三」をリードする。洗練の意匠を纏った複合開発プロジェクト。官民一体の「住・商・官」複合開発タワー。”
では現地を一周してみましょう。と思ったら、30代後半ぐらいのカップルがバリケードの敷地図を見ながら「あーでもない、こーでもない」と思案している様子。微笑ましい風景ではありませんか。
北面は『淀川通り』になります。
「淀川通り」は4車線で交通量はかなりある感じです。
(夜)
(夜)
そして、マンション計画地の東側のビルの上に『PARCO』が見えました。これが「すごろくさん」が言っていた商業施設じゃない方の『PARCO』。
商業施設じゃない方の『PARCO』。
(夜)
隣は保育園。
ハトマーク「宅建協会」
エレガンス イン
東南角から
(夜)
南側には廃墟となったホテルが、
(夜)
南面
西南角から
(夜)
南側にはセレモニーホール。
生と死を考えさせられる人生の縮図のような街の最前線。
西側。
(夜)
西面
「こども万博2025年開催」
北西側には淀川警察署があります。
(夜)
交番が近くにあるだけで、安心感があります。
現地を一周しました。
現地地図です。
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淀川と夢洲がつながる
セレモニーホールを越え、『淀川』の方向に向かいます。土手が現れます。
土手に上がり来た道を見下ろすと、目の前には『セレッソコートリバーサイドOSAKA』(2009年建築)。
これが「よどがわ」。
いつも阪急電車の中からしか見たことがなかった風景に、ちょっと感動!
土手。
ワイルドに生い茂る雑草の殺伐とした河岸、京都「鴨川」のような優雅さはありません。
ジョガーが1名見えました。
日本経済新聞2023年6月7日 記事/吉田翔悟
マンションから徒歩5分の淀川河川敷には、近畿地方整備局が25年までに船着場の整備を計画している。国際博覧会(大阪・関西万博)の会場となる夢洲(ゆめしま)と十三を結ぶ水上輸送も実現しそうだ。
十三から
夢洲(ゆめしま)へ
彼方に「夢」があるではありませんか。
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さらにディープ、混沌とした阪急「十三」駅西口へ
『ジオタワー大阪十三/阪急阪神不動産』現地へ戻りまして、淀川通り沿いの粉もん屋さんからのマンション計画地。少し道をそれると、奥に鳥居が見えました。
神津神社
心が清らかになる景色です。
「商売繁盛・家内安全・一路平安」を祈りました。
スーっと暑さがひいていきました。
しかし、物足りない。『十三』のディープさはこんなものではない。もっともっと深い街なはず。
徹底的に正真正銘のものに向けて私は体をたてたい。
若き日の「開高健」がベトナムの豊穣なジャングルを駆け抜けたように、もう若くない私も駅下のトンネルを駆け抜けました。もうそこは駅西口だ。
駅西口。
火災によって消失(2014年3月)から復活「しょんべん横丁」。
せっかく十三に来たのだから「立ち呑み」へ行かなければ、と半ば義務的にでたらめに飛び込む。とはいえラーメンを食べた後の満腹感でビールの旨さが落ちてしまった。アテは必要ないのだが一応気を使って冷奴。
消化不良気味で立ち呑みを出て、あーこれが有名な・・
我が街「京都」にはない混沌とした雑踏感。あらゆる栄養を含んだ肥沃な大地、ここは豊穣なアジアのジャングル。
危うい路地。街が深まってきました。
灼熱の太陽が痛い。この大通りを越えればアーチ。Tシャツの背中はもう汗でべっとりとはりついています。
SAKAEMACHI
背中が曲がりきった杖をつく老婆の向こうに
『大阪タワーさん』が言ってたネギ焼はこれか!!
深すぎる、街はかなり深くなってきました。
「落武者」ならぬ「俗武者」。どんな武士だ?
メインストリートを抜けると「アルサロ」(キャバレーの古い呼び方らしい)が目に入り、その横の建物の壁に描かれた絵が目に入りました。
ん??? 、テナーサックスを持つ男の絵、その顔。
ファラオサンダース!?
スピリチュアル・ジャズ、その前衛的スタイルであまりにも有名な『ファラオサンダース』にちがいない。
『You’ve Got to Have Freedom』
あらゆる感情をぶちぎれたテナーサックスに込め、しかも神々しい。爆音で聞けば魂が揺さぶられてしまいます。
混沌とした街の最後で、神様に会えた気がしました。
(某夜)
すっかり神様ファラオサンダースの壁の絵は忘れてしまった夜、呼び込みのお兄さんを振り切り、街の奥の奥の奥へ進みました。
私にはここが街のゴールに思えました。沢木耕太郎「深夜特急」でいう所のユーラシア大陸の最南西端に位置するポルトガルの『サグレス』。
もういいだろう、この辺で私の旅を終えることにしよう。
帰りの地下のトンネルにはストリートミュージシャン。
急いで阪急電車に乗って京都へ帰ります。
今宵の京都は五山送り火でした。
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おわり
[スムラボ編集部より] 本ブログ記事の情報は投稿日時点のものです。現在の販売情報は物件公式サイトをご参照下さい。
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十三、ギラギラしてますね。いつも伊丹空港から乗り換えるためだけの駅でしたが、こんな景色だったとは!猛暑に歩くとくらくらしますね。ユーワクが多い街に感じました(笑)京都の人は、このあたりまで足を伸ばさないような気がしますが、どうなのでしょう?じゅうぞうではなく、「じゅうそう」。勇気をもって次回下車してみようかな
女性がこの街「十三じゅうそう」を楽しむのは難しいかもしれません。
京都の人でも好きな人は行っているかと思います(笑)縁のない人には遠い街です。
立ち飲みがお好きなら女性客も多く何軒もはしごが楽しめる大阪「天満」をオススメします。ただ下町感のアジアを感じたいならぜひ!!