仲介手数料について【2LDK】

質問箱にいただいた質問にお答えしていたら長文になってしまったので、スムラボの記事で回答させていただきます!


はじめまして。いつも楽しみにしています。仲介業者さんについて質問です。 中古購入時の仲介手数料、満額3%+6万円の支払いはもはやあたりまえですか?下記の経験をしています。

①仲介手数料半額の不動産会社経由で内覧申し込んだが販売元がなかなか日程を提示せず、連絡もつかずで結局流れてしまう。→これは販売元が両手を得たいために、外からの内覧をブロックする行為なのかなと思いました。(よくあることですか?)となれば割安物件は販売元からしか買えないのが一般的ですか?

②いわゆる、囲い込み案件。そもそも安い仲介さんから内見依頼できない。囲い込みって違法ですよね?でも買いたい場合は泣く泣く販売元から仲介手数料満額で買うしかできないのでしょうか?何か仲介手数料安くすむ手立てはないのでしょうか? こういう囲い込み案件ってオーナーさんはご存知なんでしょうか?知らずに安い相場提示されて、騙されてるんじゃないかと感じます。そもそも仲介手数料満額って、ものすごく高いですよね。どうにかならないかと感じます。


【重要】

売主さんと売り仲介のやり取りは当事者しか分からないので推測の域を出ません。ですので、ご相談者さんのケース含め正確なコメントができない点はご承知おきください。また私は不動産取引の素人(=業界の人間ではない)ですので、その実態をすべて正しく把握できていない可能性があります。

①仲介手数料半額の不動産会社経由で内覧申し込んだが販売元がなかなか日程を提示せず、連絡もつかずで結局流れてしまう。これは販売元が両手を得たいために、外からの内覧をブロックする行為なのかなと思いました。(よくあることですか?)となれば割安物件は販売元からしか買えないのが一般的ですか?

程度の問題はあれ基本的にはどの仲介業者も「両手を取りたい」と考えているケースが大半(商売なのでこれは当然)ですので、売り仲介経由での検討者がいたりすると、両手契約を取りたいというインセンティブが働きます。その結果内見のスケジュールを後ろ倒しにされたり、内見を断られたりするケースは現実問題としてあり得ると思います。

細かいですが「両手を取ること」そのものは全く悪いものではありません。売り仲介が自分で買主さんを見つけてきたのであればその分の対価が払われるべきと考えます。問題なのは両手を取りたいがために売主さんの同意のない囲い込みが行われることです。

割安住戸であればポータルに乗せるだけで両手が取れる可能性が高いので、尚のことその傾向は高まると思います。会社の色もありますが、担当者に依存する部分もあると思います。

エリアや時期、価格の割安さにもよりますが、湾岸エリアなど動きの早いエリアの割安物件は売り仲介に直接問い合わせしないと買えないイメージがあります。

②いわゆる、囲い込み案件。そもそも安い仲介さんから内見依頼できない。囲い込みって違法ですよね? でも買いたい場合は泣く泣く販売元から仲介手数料満額で買うしかできないのでしょうか?何か仲介手数料安くすむ手立てはないのでしょうか?こういう囲い込み案件ってオーナーさんはご存知なんでしょうか? 知らずに安い相場提示されて、騙されてるんじゃないかと感じます。

「囲い込みが違法」については少々話がややこしいのですが、宅建業法には「囲い込みをしてはいけない」という記載はありませんので総合的に判断する必要があります。

まず「レインズへの掲載義務」についてです。(レインズとは不動産業者が閲覧できる物件ポータルサイトみたいなものです)

売主さんが仲介会社と媒介契約を締結する際には以下3つのパターンがあります。(3つのパターンの違いについてはここでは説明を割愛します)

  1. 専属専任媒介契約
  2. 専任媒介契約
  3. 一般媒介契約
この中で宅建業法上、レインズへの掲載義務があるのは①と②です。なので、専属専任媒介契約もしくは専任媒介契約を締結しているにも関わらずレインズに掲載を行っていないのは違法になります。(それぞれ契約締結からレインズ掲載までの猶予期間があるので多少のタイムラグは許容されています)

それ以外は非常にファジーな表現になっています。売主さん側が仲介に申し入れるならともかく、内見すら行えていない(囲い込まれているから当然ですが)一検討者がその損害を証明し、国土交通大臣又は都道府県知事に動いてもらうことは相当ハードルが高いものだと思います。囲い込みの良し悪しは別として今の宅建業法上で購入検討者が囲い込みを法的に指摘するのは難易度が高いです。(重要:ペーパー宅建ホルダーの業法理解ですので、事実と異なる可能性があります)

以下は宅建業法の抜粋です。
  • 第31条1項「宅地建物取引業者は、取引の関係者に対し、信義を旨とし、誠実にその業務を行なわなければならない。」
  • 第65条「国土交通大臣又は都道府県知事は〜〜〜〜当該宅地建物取引業者に対して、必要な指示をすることができる。」
  • 同条1項「業務に関し取引の関係者に損害を与えたとき又は損害を与えるおそれが大であるとき。」
専属専任/専任媒介契約なのにレインズ掲載がされていなかったり、買い仲介経由で内見の依頼が売り仲介にあったのに、売主に告げず(または虚偽の理由で)内見を断るケースは実際にあり得ると思いますが、外からは売主さんと売り仲介のやり取りは見えませんので、何があったかはわかりません。

一般媒介契約とし両手契約を前提とすることで、仲介手数料を安くするなんて話をしているかもしれません。

長ったらしい説明になってしまいましたが、いずれにしろ購入の確率を上げるためには売り仲介に直接問い合わせる必要があります。仲介手数料の安い会社を使いたい場合は、購入確率と仲介手数料のバランスを踏まえて判断が必要になってくるかと思います。

そもそも仲介手数料満額って、ものすごく高いですよね。どうにかならないかと感じます。

一般的な感覚だと高いですね。お気持ちはよく分かります。しかし中には複雑な権利関係をまとめたり、その人にピッタリあったエリア/マンションの選定〜指値含めた価格調整〜滞りなく引き渡しができるよう融資/契約の段取りなど、仲介の人の仕事は多岐に渡りますのでケースバイケースかな、とも思います。

住まいは一生に一度の大きな買い物なので、信頼できる人に満額の手数料を払って最適な住まいを安全に手に入れることを優先された方が現時点では満足のいく買い物になる可能性が高いと思います。

一方で、定率の手数料体系だったり、なぜに法定上限の3.3%+6万でどこも張り付いているんだなど一顧客として見るとしっくりこないこともあります。

また築浅区分マンションを対象とし、ある程度ポータルで気に入った住戸を見つけられる人にとっては支払う対価に対するサービス量は少ないと感じると思います(=割高に感じやすい)。ご質問者さんもそのパターンかなとお見受けしますが、そういった人向けの仲介手数料の形があってもいいのになとは思いますね。

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首都圏エリア担当。記事を見てマンション買いました!と言っていただくことが最近の生きがいです。読者の方のマンション探しのお役に立てるよう日々発信しています。

[寄稿] マンションコミュニティ:スムラボ派出所スレ

6 件のコメント

  • しがない営業マン より:

    仲介手数料の考えについて、私は街の小さな不動産会社で働いておりますが、仲介手数料を上げてほしいと考えております。
    日々の仕事の中で、新着情報を朝に確認し、新着不動産確認、写真等々の撮影を行い、夕方過ぎに帰社、図面やネット掲載用の資料をまとめ、足りない場合は翌日に市役所や法務局などで調査、ネットに掲載し反響を待つ。
    その他、反響をいただいていたお客様との対応、新着反響の対応、契約途中のお客様の対応、不動産の空室状況などの確認・・・
    時間がとても足りません。
    私はその仕事の成果を仲介手数料という形でいただいていると考えております。

    逆に皆様に質問ですが、お仕事をされ、自分が丹精込めて作ったものを購入を考えているお客さんや雇用主などから「安くして」「値引きして」と言われるとどうでしょうか?
    ご自身が時間を使い、作り上げて、お客様に「やすくして」「まけて」と言われたらどうですか?

    営業マンは、それにより売り上げノルマを超えれず、給料を引かれるケースもあるんです。
    ばかな!!じゃあ辞めたらいい!!などの意見もあると思いますが、それ以外働いた事が無い、学が無い場合はどうしたら良いのでしょうか?

    現在、物価上昇に伴い、大手では賃金が少しずつ上がってきている。と聞きますが、不動産会社の収入は仲介手数料のみです。
    その他、違法な手数料をもらっている会社もあると聞きますが・・・

    ですので、私たちの賃上げを行う為、仲介手数料の利率の値上げを求めています。

    皆様も人の立場に立って物事を考え、口言、書き込みをされることを望みます。

    • しがない営業マンさま

      コメントありがとうございます。

      まずは私は記事の中で仲介手数料を「やすくすること」や「まけること」について書いていませんし、推奨もしていません。
      むしろ逆で「住まいは一生に一度の大きな買い物なので、信頼できる人に満額の手数料を払って最適な住まいを安全に手に入れることを優先された方が現時点では満足のいく買い物になる可能性が高いと思います。」と書いています。

      しがない営業マンさまがどんな会社でどのような働き方をされているか分かりませんので想像になってしまいますが、しがない営業マンさまがお客様から頂いている売上(=仲介手数料)は給料以上なのではないでしょうか?会社が抜いているマージンを従業員にもっと還元すれば今の仲介手数料でも十分各人の給料が上昇する余地があるのではないでしょうか?
      他の業種に転職せずとも不動産営業のプロフェッショナルなのであれば、独立すればお客様からいただく手数料がそのままご自身の給料になります。腕に自信があるのであれば色んな選択肢があると思います。
      仲介手数料の上限が上がったとして、しがない営業マンさまの給料が上がるとは限りません。ノルマはもっと引き上げられるかもしれません。嬉しいのは会社の経営層だけかもしれません。給料に不満があるのであれば、求めるべきは会社に対する賃上げの交渉かと思います。

  • 通りすがり より:

    大手の仲介業者さんの場合だと、リピーター客の仲介手数料を割引している会社もありますよね。
    リピーター客の場合は、細かい再度の説明が不要になるので、割り引いて頂いてもよろしいのではないかと思います。
    それ以外に、銀行のネットバンキングの提携サービスで仲介手数料を割引する会社もあります。

    • 通りすがりさま

      コメントありがとうございます。
      リピートされる方は集客コストがかからないので、その分値下げすることは合理的ですね。
      2回取引される方はその後も複数回取引される方も多そうですし、お互いwinwinな感じもします。

  • 普通のサラリーマン より:

    基本的には対価に見合った手数料ならいいんじゃないかと思います。
    複雑な権利関係調整、ローン付け、リフォーム等住み出しへのアドバイス、販売住戸付近で住むうえでの有益な情報。
    これらを丁寧に対応頂けるのであれば現行手数料が特に高いとも思えません。

    一方で学も無ければスキルも無い人がただ作業しているのであれば現行の手数料は果てしなく高いですね。
    個人的には参入障壁が低い業界の割には、少なくとも法定上限は高い印象です。
    気持ちよく支払いたくなるような業者さんが増えることを期待しています。

    • 普通のサラリーマンさま

      コメントありがとうございます!
      私も同感です。受けたサービスに対して適正な対価であれば問題ないですし、満額払いたいと思える素敵な人に出会えると良いですよね。

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