質問箱にいただいた質問にお答えしていたら長文になってしまったので、スムラボの記事で回答させていただきます!
マンクラさんたちがおすすめの住宅ローンってどこでしょうか?
Xでも関連するご質問いただきましたので、合わせてまとめます。他の方がどう考えているかは分からないので、あくまでも私の主観である点はご容赦ください。(良かったらブログのコメントやSNSのリプで皆さんのおすすめも教えて下さい)
住宅ローン斡旋手数料についても記事化お願いします🙇
— 北綾瀬はるか (@north_ayase) March 23, 2024
①購入した住宅に永住する前提の人
世の中の住宅ローンおすすめサービスやブログの記事は大抵皆さん向けに書かれていますので参考にしていただくと良いかと思います。金利の低い銀行の中で団信やその他付加サービスがご自身にマッチするものが良いかと思います。
②いつか住み替える可能性がある人
表にはあまり出てこないですが、住み替えのしやすさは銀行によって異なります。
ここで言う「住み替えのしやすさ」は後売り(切り離しも含む)の許容度、借入可能額の伸びやすさになります。借り入れに前向きな銀行はどちらも好条件が出るケースが多いです。
- 前売り:現居を売却後(住宅ローンを完済してから)、新居の住宅ローンを借り入れすること
- 後売り:新居引き渡し後に現居を売却すること(一時的なWローンが発生)
- 切り離し:現居の住宅ローンを一切考慮せず、新居の住宅ローンを借り入れること
売却期限が設定されるケース(6ヶ月程度が目安)が多い後売り条件だと期日までに売却できないかヒヤヒヤしますので、切り離しで新居のローンを借り入れることができれば自由度が高く安心できます。(もちろん現居を賃貸等別目的に使って良いわけではありません)
私の経験や周囲の人からの話ベースなので、個人差はあると思いますが、三井住友信託銀行や三井住友銀行は比較的後売りや切り離しの判断をしてくれるケースが多いです。ソニー銀行やりそな銀行も比較的前向きと聞きます。(*2024年5月13日追記:みずほ銀行も比較的前向きの声が多かったです)
担当者によるかもですがみずほ銀行もあと売りいいよって言ってくれましたね!!
— 不動産の情報を仕入れ隊 (@tein_kun_0224) March 26, 2024
ポイントとしては、後売り・切り離しを狙うのであれば、住宅ローンは現居と同じ銀行で新居のローンを借り入れることができないため、将来的な住み替えが可能性としてあるのであれば、住み替えに前向きな銀行を一次取得時に使わないことです。(*太字部分2024年5月13日追記)
続いて別の切り口として、借り入れ時の初期費用の差があります。
現在多くの銀行では借り入れ時の初期コスト(手数料)は借入額×2.2%となっています。7,000万円の借り入れを行えば154万円となかなかの額になります。
そんな中数は少ないですが、初期コストが抑えられる銀行が存在します。手数料が安いタイプと保証料を金利上乗せで対応してくれるタイプの2パターンに分かれます。
手数料が安いタイプ
- 楽天銀行:融資事務手数料が一律で33万円
- 三井住友信託銀行::0.2%の金利上乗せ
- みずほ銀行:0.2%の金利上乗せ
- 千葉銀行:0.2%〜0.4%の金利上乗せ
- りそな銀行:0.2%の金利上乗せ
前提:7,000万の住宅を購入し35年フルローン、金利の変動は考慮しない。
- 手数料型:金利0.375%、借り入れ時手数料154万、月々の支払い17.7万
- 保証料金利上乗せ型:金利0.575%(+0.2%)、借り入れ時手数料3.3万、月々の支払い18.3万
…とコンサバに見ると20年が一つの目安なのですが、浮いた150万を年利3%で運用に回すと仮定すると20年で150万は270万になります。270万は0.6万の35年分(252万)とほぼ同等ですので、個人的には多少の金利上乗せであれば初期コストを抑えた方がトータルでお得になる可能性が高いと考えます。(重要:超ざっくり計算なので細かいズレはご容赦ください。また素人の机上の空論のため誤りがある場合があります。こんな考え方もあるんだな、くらいにご覧ください。「確実に年利3%で運用できることなんてあるのか!」「浮いた150万があったらグロース株に全ツッパして爆損◯になっちゃうから合理的とは言えません!」といったお気持ちにはお答えできません。)
まとめ:2件目に三井住友信託銀行はおすすめ
おまけ①変動金利vs固定金利
細かい経済や金利の話はさておき(重要:単に語れるほど詳しくないだけ)、構造としては金利変動のリスクを負うのはどちらかという話に収斂すると考えています。変動は借主(我々)、固定は貸主(銀行)です。
つまり固定金利は35年間の金利上昇を見越したうえで貸主が損をしないラインに金利を設定しているはずです。35年なんて超長期の金利を予測できる人はいませんので、銀行としては保守的な金利設定をする必要があります。銀行が得をすることと我々が損をすることは表裏一体ですので、多くのケースで変動がお得になる可能性が高いと考えます。
また今は超低金利です。多くの人が採用していると思われる元利均等方式の場合、残債の多い返済初期の方が金利の影響が大きいため、返済初期に金利が低いことはトータルの金利支払額を抑える点では有利です。
とまあ色々書きましたが変動の方がお得になる可能性が高そうと分かっていても、変動金利を選ぶことで金利動向が気になってしまう人もいると思います。固定金利を選べば、金利動向に一喜一憂する必要がなくなりますので、精神衛生の観点から固定金利を選ぶ選択肢があっても良いと思います。
おまけ②団信の付帯サービス
最近は団信に様々な付帯サービスが付いていますが、個人的にはシンプルで良いと考えています。付いていればラッキーだが、付帯サービスだけで銀行を選ばないという感じです。
その理由ですが、基本的に金融商品は「まぜるな危険」と考えているので、住宅ローンと保険は極力切り離すべき派です(分けることで生命保険料控除を受けられるメリットもあります)。また保険はライフステージに応じてその時々のリスクにあった商品に入れ替えるべきと考えていますが、住宅ローンに組み込むとなると35年という長期の契約になりますので、時間軸がマッチしないためです。
ただし、個人の価値観やリスク許容度によっても判断が異なりますので、私の考えが正解というものではありません。
住宅ローンに限りませんが、確りと情報収集をした上で自分たちにとってマッチするものは何かを考え、意思決定することが重要です。
いつも楽しく拝見させていただいています。記事ありがとうございます。
「損益分岐点は150万÷0.6万÷12ヶ月=約20年」とコメントがありますが、売却時に一括返済することになるため、残債の減りを考慮すると20年より短くなりませんか?
3LDKさま
コメントありがとうございます!ご指摘の点、仰る通りです。
「損益分岐点は150万÷0.6万÷12ヶ月」は正確に計算すると20.8年と20年よりちょっと長いので、細かい点をまとめて「約20年」と表記していました。(本音は計算しきれなかった)
厳密に計算すると何年になるのか教えていただけるとありがたいです!(他力本願)
個人ブログやXも含め、いつも楽しく読ませていただいております。
こちらの記事を拝見し、なるほど、と思ったのですが初期費用を浮かせて投資等の運用に回すということであれば、融資手数料以外の諸々も含めた諸費用すべてをローンにして借り入れる方法もありなのでは、と思ったのですがどう思いますか?
ネット系のS銀行だと通常の借入利率に+0.05%の上乗せでオーバーローン可能でした。
※通常0.297
ちなみに物件価格7000万円、初期費用400万円、借入金利上述通り、運用利回り3%/年、で考えると
10年目までくらいまではオーバーローンのほうがお得。その後、逆転。
ただし400万円を年3%で運用できれば余裕でオーバーローンがお得な感じでした(本当に3%で回せて利確できればの話ですが)。
通りすがりさま
コメントありがとうございます!
金利と想定運用利回りの差が大きいので初期費用も含めて借りるはアリだと思いますよ!
支払った手数料や住宅ローン(頭金含む)を返金してもらうことはできないですが、多めに借りておいて何かあれば繰り上げ返済するのはいつでもできますからね。
※手元にお金があると散在しがちなので要注意ですが…(ブーメランが胸の奥に突き刺さる音)
2LDK様
N=1(自分)なんで、相談次第かと思いますが
住宅ローンは現居と同じ銀行で新居のローンを借り入れることができないため、
→現居楽天、2回目楽天とローン借りました。先売り(最悪当日午前までだった記憶)で全額返済の条件で、新規の借入OKでした。
参考まで。
ようーすけ様
コメントありがとうございます!
先売りだと許容してくれる銀行もちょこちょこあるようですね。
参考になりました!!!